食事と流産の関連性(Fertil Steril. 2023)

妊娠に良い食事に関しては過去のブログでもとりあげています。

流産との関係は、太り過ぎ・痩せ過ぎは避けましょう、カフェイン・アルコール摂取を控えましょう、とされていますが、食事の内容と流産の関係はどうなんでしょう。
メタアナリシスをご紹介いたします。

≪ポイント≫

果物、野菜、魚介類、乳製品、卵、穀物が豊富な食事は、流産確率の低下と関連している可能性があります。

≪論文紹介≫

Yealin Chung, et al. Fertil Steril. 2023 Aug;120(2):333-357.  doi: 10.1016/j.fertnstert.2023.04.011.

生殖年齢の健康女性において、食事と流産リスクとの関連を調査したシステマティックレビュー・メタアナリシスです。地域、出版物の種類、言語の制限なく、2022年8月までの実験的研究または観察研究を電子データベースにて検索しました。各食品カテゴリーについて要約効果量(OR、95%CI)を算出しました。
結果:
20件の研究(コホート11件、症例対照9件)を対象とし、うち6件をメタアナリシスの対象(コホート2件、症例対照4件、n = 13,183名)としました。下記食品群では摂取量が多いほど流産率が低下しました。
果物(OR、0.39;95%CI、0.33-0.46)、野菜(OR、0.59;95%CI、0.46-0.76)、果物と野菜(OR、0. 63;95%CI、0.50-0.81)、魚介類(OR、0.81;95%CI、0.71-0.92)、乳製品(OR、0.63;95%CI、0.54-0.73)、卵(OR、0.81;95%CI、0.72-0.90)、穀類(OR、0.67;95%CI、0.52-0.87)
肉、赤身肉、白身肉、脂肪と油、砂糖代替品については、エビデンスは不確実でした。

≪私見≫

健康的な食生活が一番ですね。食事パターンもこの論文の中には記載されていますが、加工食品が多い食事を避けることが重要であること以外、結果は不確実なので割愛しています。
不育症のこちらのブログも参考にしてみてください。

文責:川井清考(院長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。

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