チルゼパチドの日本人2型糖尿病患者における実臨床での有効性と安全性を検証した国内最大規模のリアルワールド研究が国際誌に掲載されました。
糖尿病内分泌内科部長 三浦正樹医師らの研究グループは、日本人2型糖尿病患者におけるチルゼパチド(商品名:マンジャロ®)の実臨床下での有効性と安全性を検証した多施設後ろ向き研究の成果を、国際学術誌「Diabetes, Obesity and Metabolism(DOM)」に発表しました。本論文はオープンアクセスとして公開されており、どなたでも全文をご覧いただけます。
研究の背景と目的
チルゼパチドはGIP/GLP-1受容体作動薬として開発された新規治療薬であり、血糖コントロールおよび体重管理の両面から注目されています。国際的な臨床試験(SURPASS試験シリーズ)では優れた有効性が示されていますが、日本人患者における実臨床下でのリアルワールドデータはこれまで十分とはいえませんでした。
本研究は、亀田総合病院(千葉県鴨川市)、亀田京橋クリニック(東京都中央区)、亀田総合病院附属幕張クリニック(千葉県千葉市)の3施設においてチルゼパチド治療を受けた日本人2型糖尿病患者203名を対象に、最長52週間にわたる有効性および安全性を体系的に評価することを目的として実施されました。
研究の概要と主な結果
本研究では、チルゼパチド導入後の経時的なHbA1cおよび体重の変化をはじめ、治療中断率や有害事象の発生状況などを解析しました。
その結果、チルゼパチド投与により、HbA1cおよび体重の有意な改善が認められ、日本人患者においても臨床試験の結果と一貫した有効性が確認されました。安全性に関しても、治療中断率は低く、日本人患者における良好な忍容性が示されました。
臨床試験とは異なる実臨床環境におけるデータを示すことで、日本人患者におけるチルゼパチドのリスク・ベネフィットのバランスを多角的に検討しています。本成果は、今後の診療現場において、患者背景に応じた治療選択を検討するうえで有用なエビデンスを提供するものです。
著者コメント
今回、日本人2型糖尿病患者さんにおけるチルゼパチドのリアルワールドデータを、多施設での診療データをもとにまとめることができたことを大変うれしく思います。治験データだけでは見えにくい日常診療の現場での実際の効果や安全性を示すことで、チルゼパチドをどのように位置づけるかを検討する一助になればと考えています。今後も、糖尿病を抱える患者さんにとってより良い治療選択肢を提示できるよう、実臨床に根ざした研究を継続してまいります。
論文情報
論文タイトル:Real-World Effectiveness and Safety of Tirzepatide in Japanese Patients with Type 2 Diabetes: A Multi-site Retrospective Study 掲載誌:Diabetes, Obesity and Metabolism(インパクトファクター:5.8) DOI:10.1111/dom.70550 公開形態:オープンアクセス
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