ご来院の方へ 不妊症とは
なかなか赤ちゃんを授からない・・・
もしかして不妊症なの?
不妊症の定義とはなんでしょう・・・
妊娠を希望しながらも(妊娠可能な年齢の男女が、避妊をしないで夫婦生活を営んでいるにも関わらず)、妊娠しない期間が1年以上の場合を不妊症と呼んでいます。
では、どれくらいで妊娠が成立するかというと。
妊娠成立した女性の中では、妊娠を希望してから
- 3回目まで ;75%
- 6回目まで ;88%
- 12回目まで ;98%
出典:Hum Reprod 2003;18:1959-1966
の確率で妊娠することを統計が示しています。
現在では6組の夫婦のうち1組が不妊症として悩んでいるとされています。
不妊症は決してめずらしいことではなく、もっと身近な問題です。
また、日本では晩婚化により女性が妊娠する年齢が上昇しています。
赤ちゃんが欲しいと思っているにもかかわらず、なかなか妊娠しない場合には、夫婦が早期に適切な不妊治療を受けることをおすすめします。
まずは、専門の医師に気軽に相談してみましょう。
不妊治療をお考えの方へ
これから不妊治療をはじめようと検討しておられる皆様は、どんな治療をするのか、お金はどれくらいかかるのか・・・等、不安も多く、なかなか治療までの一歩が踏み出せない方も多いのではないかと思います。
不妊治療自体が初めての方、他院で一般不妊治療の経験がありと高度医療生殖を希望される方、また、すでに体外受精・顕微授精を何度かされてきた方など、様々なニーズにお応えいたします。
また、当院では定期的な説明会の開催、各種カウンセリングを実施しております。
皆様に少しでも心地よくお越しいただけるよう最良の環境で、高い医療技術をご提供できるようスタッフ一同、努めてまいります。
不妊症の原因
不妊症といっても原因は様々です。
一般的な不妊検査によって明らかになる「原因」は限られており、たとえば受精障害のように体外受精を行って初めて明らかになる原因も少なくありません。
SART(米国ART協会)によると、米国で体外受精を2011年に行った方の原因は、45%が女性側、18%が男性女性共にあり、17%が男性側、12%が原因不明、8%がその他の要因とされています(その他の要因は男女因子共にあります。)。
一般的な不妊検査によって明らかになる「原因」は限られており、体外受精を行って初めて明らかになる原因も少なくありません。
- あくまでも「体外受精を行った方」のデータであり、一般不妊治療を行っている方での原因別頻度とは異なりますのでご注意ください。
主な原因をもう少し詳しく言うと、次のようになります。
女性因子
- 排卵因子 10−15%
(卵子が育たない。育ったとしても卵巣から排卵することができない) - 卵管・腹腔因子 30−40%
(卵管が狭くなる、詰まってしまうなどのトラブルが起こり、卵子と精子が出会えない) - 子宮因子(頸管因子を含む) 10%
(受精したとしても受精卵がうまく着床できなかったり、着床しても流産してしまうことがある。頸管の問題により精子が子宮膣内に到達できない) - 原因不明 10-25%
男性因子
- 造精機能障害 23%
(精子が作られない、作られたとしても受精に向けてスムーズにうごくことができない、もしくは数が少ない等) - 精路通過障害 14%
(精巣静脈が逆流を起こして 拡張した状態(精索静脈瘤)など、精子の通り道に問題がある) - 性機能障害(勃起障害・射精障害) 3%
(満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない。射精時に内尿道口が閉鎖せず膀胱内に精液が逆流したり、勃起に問題はなくマスターベーションでは射精可能であるが、膣刺激による膣内射精ができない等)
不妊症の原因の多くは、複数の原因が、複雑に絡み合っています。
また、原因として年齢も関係しており、年齢を重ねる事により妊娠率は徐々に低下していきます。
女性の年齢が30歳代半ば以降の方や、月経不順、無月経、子宮内膜症、子宮筋腫等がある場合は、特に不妊期間に関わらず早めに受診されることをお勧めいたします。