当院の治療 チームアプローチ

一人でも多くの患者さまに笑顔でお帰りいただくためには、多職種でのチームアプローチが重要です。当院では、安全・安心で質の高い医療・ケアを提供するために、多職種での「各種カンファレンス・回診」と「医療の質・安全委員会」として様々な活動を行っています。

【各種カンファレンス・回診】

総合カンファレンス

病気やけがなどにより損なわれる障害は、運動や認知機能ばかりではなく、排泄機能、高次脳機能など多岐にわたり、それらにより日常生活を送ることや社会復帰が困難となる方が多くおられます。その様々な病気を抱えた患者さまの、様々なお困りごとやニーズ、これからやりたいことにどう対応していくべきか―。そのためには医師・看護師・セラピスト・医療ソーシャルワーカーなどで構成されるチームによるアプローチが重要です。問題点を把握し課題を決定し、方針を明確にするために、当院では定期的に総合カンファレンスを行っています。様々な職種から吟味された情報を集約し、患者さまの治療方針の確認・決定を行います。

リハビリテーション科回診

入院中の患者さまについて、病態の予後予測、リスク管理などを毎週検討しています。リハビリテーション科部長を中心に医師と担当のセラピストが実際のリハビリ場面を回診し、患者さまに適切なリハビリテーション治療を提案致します。

装具回診

上肢・下肢装具の新規検討や装具作成後の適合チェックを毎週行っています。当院院長を中心に医師、義肢装具士、セラピストが実際のリハビリテーション治療場面を回診し、患者さまに適切な装具の検討を致します。

Before After Conference(BAC)

毎月1回、退院後に訪問リハビリテーションを利用予定の方や利用されている方の情報共有を目的として訪問リハビリテーションチームとカンファレンスを行っています。
退院前からカンファレンスを実施することにより入院中の様子を共有できるため退院後もスムーズに訪問リハビリテーションへ移行することができます。
また、訪問リハビリテーションチームから自宅でどのように過ごされているかフィードバック受ける機会でもあります。入院中から取り組めたことを再考し、質の高いリハビリテーション治療を提供するために欠かせないカンファレンスとなっています。

医療保険を使用した訪問リハビリ

介護保健対象外の方に向けて当院から短期間(約2週間)の訪問リハビリテーションを提供しています。
入院中に練習したことが実際にご自宅に帰ってからできているか、なにかお困りごとがないか確認が出来るため安心して退院後の生活が始められます。

【医療の質・安全委員会】

ADL回診チーム

ADLとは日常生活動作(Activities of Daily Living)のことで、日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作「起居動作、移乗、移動、食事、更衣、排泄、入浴、整容」のことです。
私たちは、これらを患者さまの身体能力として「できるADL」、実際の生活場面で「しているADL」の2つの視点で評価しています。
ADL回診チームのメンバーは、医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、作業療法士、理学療法士から構成されています。メンバーを中心に、リハビリテーション治療場面と実生活場面での乖離を改善できるように多職種で情報を共有し、各動作方法の統一やリスク管理を行うことで質の高いリハビリテーション治療の効果を生活場面に生かせるようなサポートをしています。

転倒転落防止チーム

院内での転倒・転落予防、再発防止を目的とし、職員への啓蒙活動を実施しています。
転倒転落事例の分析を行い、スタッフ全体への共有、注意喚起などを行います。

転倒転落防止チームの活動

軒先(のきさき)ミーティング、転倒転落事例の分析

軒先ミーティングとは、転倒発生後に医師、看護師、セラピストが集い、出来るだけすみやかに転倒発生の要因を分析し、再発予防のための対策を検討ために実施しているミーティングです。ミーティングの内容は当院職員全体に共有されます。

転防(てんぼう)ラウンドの実施

セラピスト、看護師、介護士が週に1回、各病室の環境(ナースコールの位置、センサー類やベッド柵の設置状況、車椅子等)を確認し、転倒防止を図っています。

ステータスボードの設置

患者さまそれぞれのベッド脇に安静度や活動度、介助量、リスクなどを記載したステータスボードを設置しています。

勉強会の開催

年1回、移乗方法実技講習会、KYT(危険予知トレーニング)を実施しています。

転防ラウンドの様子

急変時対応チーム

急変時対応チームとは、全職員が緊急時に落ち着いて各役割を遂行し、患者さまに適切な対応ができることを目標に医師・看護師・セラピストなどで構成された委員会です。個人のスキルを上げるだけでなく、チームとして機能できるということを重視しています。

急変時対応チームの活動

①2か月に1回の勉強会を開催しています。

痙攣や窒息など当院で発生する可能性のある状況を想定したトレーニングを行っています。勉強会開催後は知識確認のためのテストを実施します。

②実際起こった急変事例の振り返りを行い、勉強会実施の効果判定を行っています。

③急変対応結果より、急変対応のマニュアル作成やシステムの構築を行っています。

Nutrition Support Team, 栄養サポートチーム(NST)

NSTとは、患者さまに最適の栄養管理を提供するために、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士で構成された医療チームのことです。
NSTは、病気や手術のために十分な食事が取れない患者さまに最も適切な栄養補給の方法の提案や、病気や怪我の回復、合併症の予防に有用な栄養管理方法の提案などをおこなっています。近年、リハビリテーション栄養の重要性が高まり、NSTの活動がより注目されるようになりました。当院においても質の高いリハビリテーション治療を提供するため、「運動」と「栄養」の両面から患者さまをサポートしています。

NSTの活動

毎週のカンファレンスにおいて、入院患者さまのリハビリテーション治療の状況や栄養状態、食事内容などについて議論しています。カンファレンス以外でも、患者さまへ適切なタイミングで適切なリハビリテーション栄養が提供できるよう、NSTと病棟スタッフとの連携をしています。また、院内勉強会の開催や院外勉強会への積極的な参加を通じて、常に質の高いリハビリテーション栄養が提供できるよう心がけています。

感染予防チーム

感染予防チームとは、院内の感染予防のために全職員の感染予防に関わる知識向上と、感染予防行動の適正化のために、医師・看護師・理学療法士・事務員などで構成された医療チームの事です。
感染は患者さまの状態悪化につながることもあり、予防の為には全職員が手指衛生などの感染予防行動をとる必要があります。
感染予防をはかり、患者さまの安全な療養環境を整備していきます。

感染予防チームの活動

①定期的に、職員の手指衛生状況をラウンドし、職員の感染予防に対する意識付けをおこなっています。

②年に数回、職員に手指衛生、嘔吐物の処理方法、ガウンの装着方法などの感染予防に対する勉強会を開催しています。

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