外来診療 乳がんの定期的な検診とセルフチェックで早期発見を

乳房の病気で最も気をつけたいのが乳がん
乳がんの定期的な検診とセルフチェックで早期発見を

乳房の病気で一番気をつけなければならないのが乳がんです。乳がん患者は年々増加傾向にあり、現在は女性がかかるがんのトップとなります。
乳がんは現在、年間約9万人の女性が新たにかかり、治療を受けています。劇的に進歩した治療法のおかげで、早期の状態で発見・治療すれば高い確率で治るようになりました。早期発見には定期的な検診とセルフチェックが大切です。
乳がん検診は乳がんから身を守る大切な検診です。

乳がんについて

どんな病気

乳腺内に出来た悪性腫瘍です。乳腺の乳管内にとどまっているものを「非浸潤がん」、乳管の外に広がったものを「浸潤がん」といいます。早期がんとは非浸潤がんや大きさ2cm以下の浸潤がんを指します。浸潤がんはリンパ節などに転移することがあります。

かかりやすい年齢・年代

現在、日本人女性の11人に一人が乳がんにかかると言われています。
30代から増加しはじめ、40代後半と60代前半にピークを迎えます。他のがんより比較的若い世代で増加の傾向があります。

  • 国立がん研究センターがん情報サービス
    がんに罹患する確立~累積罹患リスク(2011年データに基づく)より
『参考データ』 年齢別乳がん罹患率〔乳房(上皮内がん含む)年代別〕女性
資料:国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん全国推計による罹患データ」

治療法

治療の3本柱には「手術」 「」 「放射線」があります。がんの大きさやタイプ(病型)、進行度などに応じて組み合わせるが、基本的には出来る限り手術を行い、その前後に薬や放射線を追加するのが一般的です。

手術

乳房全摘術と乳房温存術があり、再建術が進歩し、全摘を選ぶ女性が徐々に増加しています。また当院では切らずに治す局所的乳がん治療(非手術的療法)として、適応のある方にはガンを凍らせて破壊する凍結療法を行っています。

放射線治療

乳房温存術やリンパ節転移の疑いがあるときなどに行われます。

薬物治療

抗がん剤、分子標的薬、ホルモン剤が使われている。最近は副作用対策も充実しています。

乳房再建

切除した乳房に代わって人工乳房で乳房の形を作ります。現在は公的な医療保険が使用できます。

  • 亀田京橋クリニックでは外来診療や検査を中心に行っており、手術・放射線治療・乳房再建・手術は行っておりません。手術等の必要な場合は千葉県鴨川市の本院(亀田総合病院)または御希望の医療機関に紹介しております。

それぞれの治療についての詳細は、がん情報サイトにて解説しております。

がん情報サイト 乳がん 治療

自己検診で見つけやすい乳がんだから月に一度のセルフチェックを!

閉経前であれば月経開始後10日目に

鏡の前で

両手を下げた状態で乳房にくぼみやひきつれがないか、左右の大きさや形に違いがないかなどをチェック。次に両手を上げて同じようにチェックする。

お風呂で

乳房に触ってしこりがないかをチェック。親指以外の4本の指の腹で円を描くように触れる。石けんをつけた状態で触れるとスムーズ。わきの下も触ってチェックする。

仰向けになって

仰向けに寝て調べる側の背中にタオルなどを挟み、お風呂でのやり方と同じように触ってみる。

乳がんから身を守る大切な検診

早期発見に欠かせないのが、乳がん検診です。自治体が実施するものと人間ドックのように個人で受けるものがあります。前者は40歳以上を対象としており、主にマンモグラフィを用います(厚生労働省は2年に1度を推奨)。
後者は当院ではマンモグラフィ検査、乳房超音波検査、およびMRI検査があり、マンモグラフィは乳房を挟んで伸展し、X線を照射して行う検査で、乳がん診断に最も広く使われる検査です。少量のX線被ばくを伴いますが、当院で使用するマンモグラフィはいずれもX線被ばくを最小限におさえ診断能も優れた高い水準のものを使用しています。

MAMMOMAT Inspiration PRIME Edition。LEDパネルは、好みの色に設定可能。

当院のマンモグラフィはトモシンセシス機能を活用した精密検査を実施しており、乳房トモシンセシス(3Dマンモグラフィとも呼ばれます)は半立体画像を撮影するタイプの新しいマンモグラフィでより正確に病変を見つけられます(オプション)。超音波は被ばくを伴わない検査で、マンモグラフィでは乳腺の間に紛れて見えづらい病変を見つけるのにすぐれています。

また、MRIも被ばくを伴わない検査で、造影剤を使用して行います。もっとも感度の高い検査として特に乳がんの家族歴など、乳がんのリスクをもつかたに威力を発揮します。より多くの方に手軽にMRIを受けていただけるよう、欧米で注目される検診専用の短縮撮像法を我が国におけるさきがけとして導入いたしました。

各検査の違い

エコー マンモグラフィ MRI
どんな検査 超音波を発生する専用の器具(プローブ)を乳房に当てて、しこりやその性状を調べる 乳房専用のX線撮影装置で、乳房を透明の板ではさんで撮影する ベッドの上で胸部に強磁場超電動導装置が自動的に動いてきて、撮影する
メリット
  • 検査による痛みがない
  • 放射線被爆の心配がないため妊娠中でも検査可能
  • 小さい石灰化した病変やしこりを発見できる
  • 閉経後で乳腺が萎縮している人、ふくよかな人にも適している
  • エコーやマンモグラフィより感度がよく、腫瘤の存在、大きさや広がりを正確に把握することができる
デメリット
  • 石灰化病変は確認しにくい
  • 放射線被爆があるため、妊娠中、授乳中の人には使えない
  • 乳腺が密な人(特に若い女性)はしこりが見つかりにくいことも
  • 検査時狭い筒状の中で大きな音がします
  • 強い磁石の中で検査を行うので特殊な制限がある
  • 造影剤の注射が必要

乳がん画像診断(MRI検査)の有用性

MRIでしか確認できなかった病変(マンモグラフィ・超音波では異常なし)
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