人間ドック 大腸CT検査とは

大腸CT検査のご案内

新型のマルチスライスCTを利用した新しい大腸の精密検査法

内視鏡を挿入しないため「バーチャル大腸内視鏡検査」と呼ばれたり、英語では「CT colonography:CTコロノグラフィ検査」と呼ばれたりすることもあります。 新型の64列マルチスライスCTで大腸を撮影し、コンピューター処理によって大腸の三次元画像を作成して大腸の腫瘍性病変などを診断する方法です。大腸を膨らますための炭酸ガスをお尻から注入し、後は横になっているだけです。CT検査室にいる時間はおおよそ10-15分程度です(約10秒の本撮影を2回おこないます)。

内視鏡を挿入せずに大腸を診断する新しい大腸検査方法で、日本では検診法として実施している施設は限られています。 米国では、米国政府の外郭団体(American College of Radiology Imaging Network)が約600万ドル(おおよそ5億円)を投入し15施設での約2,500人を対象としたナショナルトライアル、およびウィスコンシン大学での約3,000人の臨床試験が行われました。これら大規模な臨床試験の結果が良好であったことを受けて、米国では、大腸CT検査が有効な大腸がん検診法としてガイドラインに掲載されています。

大腸CT検査の長所・短所

長所

  • 米国の大腸がん検診ガイドラインに有効な検査法として掲載されている検査方法で、精度の高さが実証されています。内視鏡では見落としがちな大腸のひだの裏などの病変の観察が優れています。当院の大腸CT検査は、常に世界で最新の方法を取り入れておこなっております。
  • 検査が短時間(約10-15分程度)で済みます。撮影自体は、約10-20秒程度です。
  • 腸管前処置(下剤や腸管洗浄剤などを飲むこと)の減量が可能です。したがいまして、仕事や日常生活に支障をきたすことがなく検査を受けることができます。
  • 鎮静剤(ねむり薬)が不要です。
  • 痛みなどの苦痛が少ないと言われています。内視鏡検査ではお尻から内視鏡を、バリウム注腸検査ではお尻からバリウムという造影剤を挿入する必要がありますが、大腸CT検査ではすぐに吸収されてしまう炭酸ガスを注入するだけです。
  • 大腸穿孔などの偶発症が極めて稀です。
  • ポリープの大きさや位置が正確に分かります。
  • 大腸内視鏡の挿入が困難な方でも検査が容易です(実物の内視鏡を入れません)。

短所

  • 表面型病変や5ミリ以下のポリープを見つける能力は大腸内視鏡検査に比べて劣っています。ただし、一般的に内視鏡治療が必要な6ミリ以上の隆起性病変の多くは診断可能です。
  • 細胞の検査(生検)や、ポリープ切除などの治療をすることはできません。
  • CT撮影に伴い最低限で安全な範囲の医療被ばくがあります。ただし、注腸X線検査に比べると少なく、大腸がんを見つけるメリットに比べると問題は少ないとされます。さらに、亀田総合病院では新しい撮影装置と撮影方法を用いて、人間ドック全ての大腸CT検査に対してX線被ばくの量を最大限少なくする工夫を取り入れた低線量撮影を実施しています。安全で質の高い大腸CTを安心してお受けください。
    しかしながら、妊娠の可能性がある方は検査を受けることができません。
  • ほかの大腸検査と同様に前処置(検査の前に腸の中をきれいにすること)がうまくできていない場合には、正確な検査が困難になります。

大腸CT検査の実際例

70歳 女性 無症状

大腸CT検査で指摘された部位に6mmの腺腫と呼ばれる腫瘍性ポリープがありました。 このポリープは、内視鏡的に切除されました。

70歳 女性 無症状

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