先進医療「流産検体を用いた染色体検査」実施医療機関に認定されました
2021年12月1日より、当院も先進医療A「流産検体を用いた染色体検査」実施医療機関に認定されました。
「流産検体を用いた染色体検査」とは、流産手術の際に子宮内に残っている胎児組織や、胎盤の一部である絨毛(じゅうもう)を検体として、胎児の染色体の数や構造に異常はなかったかを調べる検査です。
2回目の流産で染色体検査が行われ、胎児染色体異常が判明すれば、母体要因による流産を否定することをできます。染色体が正常であれば、母体(父親を含む)要因による流産の可能性があり、流産の原因となり得る疾患を調べる検査に進むことができ、更には流産後の患者さんの心理ケアに役立つことが期待されます。
流産は全妊娠の 10~20%に起こるとされていますが、不育症は適切な検査・情報提供・治療により半数以上が無事に出産にたどり着くといわれていますので、本助成により、習慣流産・不育症に苦しむ方が検査を受けやすくなるといいなあと思います。
対象は今回の妊娠で流産し、過去に1回以上の流産歴のある患者様です。
過去に2回以上流産を反復している不育症の患者については、次の妊娠前に不育症原因検策スクリーニング(抗リン脂質抗体検査、子宮形態検査、夫婦染色体検査、内分泌代謝検査、血液凝固系検査など)を行ない、原因を特定します。
千葉市は2020年に自治体独自の助成制度を開始しており、この不育原因検索スクリーニンも対象になります。
千葉県と千葉市の不育症検査の助成内容を一覧にまとめてみましたので参考にしていただけると幸いです。
申請方法などの詳細はお住いの自治体にお問合せ下さい。
千葉県 | 千葉市 | |
---|---|---|
助成対象者 | ・2回以上の流産、死産の既往のある方 ・申請の時点で千葉県内に住所を有する方 ※千葉市・船橋市、柏市は独自の助成・様式あり |
・検査日に法律上の婚姻をしているご夫婦 ・検査日に夫婦の双方又は一方が千葉市内に住民登録がある方 ・検査日における妻の年齢が43歳未満である方 ・不育症であると医療機関の医師に診断された方 ・前年分のご夫婦の合計所得が730万円未満である方 |
助成額 | 1回の検査につき5万円まで。 ※検査費用が5万円に満たない場合は、証明書に記載された金額(実際に検査に対して支払った金額)まで。 |
医療保険が適用されずに受けた不育症の検査費の2分の1(上限10万円) |
助成対象となる検査 | 保険適用の検査や治療等に係る費用を除き、先進医療として実施される「流産検体を用いた染色体検査」費用のみ *先進医療として告示されている不育症検査の実施機関として承認されている保険医療機関で実施するもの 千葉県の不育症検査費用の助成についてはこちら |
令和2年4月1日以降に受けた以下の検査項目のうち、医療保険が適用されずに受けた検査費用 ・抗リン脂質抗体 ・凝固因子検査 ・子宮形態検査 ・夫婦染色体検査、流産胎児の絨毛染色体検査 千葉市の助成・検査の詳細はこちら |
備考 | 千葉市・船橋市・柏市で千葉県の「流産検体を用いた染色体検査」の助成を受けている場合、市町村からの助成額を除いた検査費用に対して、千葉県の助成が受けられる。 |
当院では不育症検査や夫婦の染色体異常について専門的な知識をもつ臨床遺伝専門医が在籍しております。相談(遺伝カウンセリング)は予約制になっておりますので、詳細は当院スタッフにお問合せください。
臨床遺伝専門医 田島麻記子医師/石川智則医師(非常勤)
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千葉市不育症検査費助成事業について
文責:石川恵(事務長)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。