診療科・部門紹介 新生児科

診療内容

当院は千葉県で指定された初の総合周産期母子医療センターであり、新生児集中治療施設(NICU)9床と回復期病床(GCU)20床を有します。周産期科の新生児部門として、早産・低出生体重児をはじめ、先天性疾患や妊娠・分娩経過で治療が必要と判断された赤ちゃんを受け入れています。当院出生に限らず、房総半島の外房と内房の一部の分娩施設より24時間体制で新生児救急搬送を受け入れています。
当院は、周産期科として、産婦人科と新生児科が併設している利点を生かし、日ごろからカンファレンスを綿密に行うことで、胎児期からの一貫した診療が可能となっています。また、スタッフは新生児医療に経験豊富(新生児専門医、指導医、看護師、保育士、病棟薬剤師、臨床工学士 等)であり、高度医療を担うとともに、母乳育児の推進や赤ちゃんが快適に過ごせる環境づくり等、赤ちゃんやご家族にやさしいNICUとなるように努めています。また、退院後は、小児内科医によりフォローアップや予防接種を行っています。

当院NICU/GCUでの取り組み

分娩時の立ち合い
当院では24時間、新生児科医師が待機しており、緊急時にも迅速に対応できる体制を整えています。また、リスクのある妊婦さんの出産には新生児科医が立ち会うようにしています。

母乳栄養の推進
母乳は赤ちゃんにとって最適な栄養です。お母さまと赤ちゃんの体調を考慮しながら、無理のない範囲で母乳育児を支援しています。また、早産児の栄養に母乳は欠かせませんが、お母さまの状態によっては自らの母乳での育児が難しい場合があります。当院では、いつでも母乳バンクからのドナーミルク(寄付された母乳を適切に低温殺菌処理した安全性が確認された母乳)を使用できる体制を整え、早産児の救命、予後の向上に役立てています。

カンガルーケア
NICUではタッチングやカンガルーケアを通して、赤ちゃんとお父さん、お母さんとの触れ合いを大切にしています。急性期を過ぎ病状が安定したら可能ですので、詳細はNICUスタッフにお聞きください。

NICU/GCUの面会について(コロナのため一部の面会に制限を設けています)
面会時間
 NICU/GCUは24時間、面会可能です
面会できる人
 父・母

遠方からの搬送となった方へ
 当院ではご家族の宿泊施設(ハレオハナ)のご用意があります。
Q&A
Q:NICU/GCUとはなんですか?
A:NICUとは「Neonatal Intensive Care Unit」の頭文字をとった略語で「新生児特定集中治療室」を意味します。少し早く生まれた赤ちゃんや、病気を合併している赤ちゃんのため、出生直後から集中して治療をする場所がNICUです。また、GCUは「Growing Care Unit」の略でNICUでの急性期治療を終えた赤ちゃんや、NICUほどの集中治療は必要としない赤ちゃんがいる場所です。

Q:入院期間はどのくらいですか?
A:入院期間は入院理由や経過によって異なります。早産児の場合には予定日頃となる事が多いです。詳細は主治医からお話しいたします。

Q:NICUでは付き添いは出来ますか?
A:NICU/GCUは集中治療室であり、付き添いは出来ません。

Q:面会はどのくらいの頻度でいけますか?
A:NICUの面会は、ご両親の育児練習という目的もあるため24時間いつでも可能としています。(コロナのため一部制限があります)面会者が密にならない様に、出来るだけ次回面会の予定をお聞きしていますので、ご協力ください。

Q:赤ちゃんに触れる事はできますか?
A:全身状態が安定していれば、基本的に触れる事や抱っこは可能です。スタッフにお聞き下さい。

Q:病状説明はいつ聞く事が出来ますか?
A:医師の長時間労働に伴う健康被害が社会問題となっており、医師にも働き方の改革がもとめられています。入院時や緊急時以外は原則的に平日の日中(9時~17時)に病状説明を行っていますので、ご協力をお願い致します。

Q:退院後の診察はどうなっていますか?
A:赤ちゃんの病状に合わせて退院後の外来を予約いたします。当院では小児科医が発達、発育の外来を行います。大きな問題がなく退院となったお子様に関しては、当院での外来は原則として1か月健診までとなります。里帰り分娩等でご自宅が遠い場合で継続的な受診が必要な場合は、近隣の病院を紹介いたします。

Q:母乳はどうすればよいでしょうか?
A:母乳は搾乳して頂き、お持ちいただければ、NICUで冷凍保存し適宜使用いたします。ご自宅が遠方の場合は、宅配便で郵送頂く事も可能です。

Q:母乳バンクとは何ですか?
A:早産児にとって母乳は最適な栄養であるのみならず、早産児にかかりやすい病気の予防効果も報告されています。早産児の救命や予後改善のために母乳は欠かせませんが、お母さまの体調等により母乳が不足する場合があります。その際に、母乳バンクに貯蔵してあるドナーミルク(寄付された母乳を適切に低温殺菌処理した安全性が確認された母乳)を使用する事が出来ます。

Q:入院費用はどのくらいですか?
A:保険診療が適応される場合が大部分です。詳細は病棟スタッフにお聞きください。
NICU・GCUの設備
保育器
・ベットサイドモニター(新生児用呼吸循環監視装置)
・新生児用人工呼吸器
・呼吸補助器
・一酸化窒素吸入療法
・脳低体温療法
・光線療法(すべてLED対応)
・脳波モニター
・脳機能モニター
・自動聴性脳幹反応
・血液検査機器(血糖測定装置、血液ガス分析装置、ビルメーター、CRP測定装置)
・超音波診断装置
・気管ファイバー
・広角眼底カメラ
・眼科レーザー光凝固装置
・陰圧個室(1床)、個室(1床)
・高度清浄空調
・搬送用保育器
・新生児搬送専用救急車
・授乳・搾乳室・沐浴室

新生児搬送に関して

地域の先生方向け
近隣の分娩施設で出生後に赤ちゃんの具合が悪いときは、できるだけ新生児搬送をお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。ただし、感染予防の観点から、いったん貴施設を退院された赤ちゃんは、原則としてNICUには入院できませんので、対応を検討させていただきます。

NICU医師向け
当院近隣にお住いの方のバックトランスファーをお受けしております。医療連携室を介してご相談ください。

当科に就職希望の先生へ

当院の管轄は、房総半島の南半分を占める広域な医療圏であり、幅広い症例や救急搬送の経験をつむことが可能です。また、スタッフは病院近隣に居住しており、緊急時のバックアップ体制も充実しています。
当院は、日本周産期・新生児学会が定める新生児認定基幹施設であり、周産期専門医(新生児)の研修が可能です。
新生児科の業務はNICU/GCUでの救急医療に特化しており外来業務はなく、退院後のフォローアップ外来や予防接種は小児内科医が行っています。
当院に興味がある方は、下記 求人サイトよりご連絡ください。
亀田グループ求人サイト:小児科・新生児科医師(後期研修医、スタッフ医師)を募集しています
NICUで経験できる症例(研修医向け)
1)ハイリスク分娩の立ち合い・蘇生(気管挿管・胸骨圧迫を含む)
2)健常新生児の管理(体重増加の評価 マイナートラブルへの対応 等)
3)超・極低出生体重児の全身管理
4)呼吸器疾患(新生児呼吸窮迫症候群・一過性多呼吸・胎便吸引症候群・新生児慢性肺疾患・喉頭軟化症・無呼吸発作・気胸 など)
5)中枢神経疾患(新生児発作・脳室周囲白質軟化症など)
6)重症感染症(敗血症・髄膜炎 など)
7)循環器疾患の診断と内科管理(動脈管開存症・心室中隔欠損症・PPHN・不整脈 等)
8)消化器疾患(嘔吐・メレナ・腸閉鎖等の外科疾患の内科管理)
9)新生児黄疸の管理(溶血性黄疸含む)
10)血液疾患と凝固異常(多血症・未熟児貧血・TAMの診断・新生児DICの管理)
11)眼科疾患(未熟児網膜症 等)
12)分娩外傷(骨折・帽状腱膜下出血 等)
13)先天異常(染色体異常など)

看護師向け勉強会

新生児科では定期的に新人看護師向けの勉強会を行っております。チーム医療に取り組み、ともに学ぶ環境があります。

診療関連トピックス

対象疾患

早産・低出生体重児、新生児仮死、呼吸障害、痙攣、感染症が疑われる児、重症黄疸、
嘔吐、哺乳不良など、ほぼすべての新生児疾患の診察をさせていただきます。外科的な治療が必要な際は小児外科医が中心となり診察を行います。

診療実績

 【新生児科】
外来延べ患者数    172名 
入院延べ患者数 9,179名
(2022年度実績)
疾患別症例数(2022年度実績)
  入院患者数
現在の妊娠とは無関係の場合もありうる母体の病態により影響を受けた胎児及び新生児 10
妊娠期間短縮及び低出産体重に関連する障害,他に分類されないもの 76
出生時仮死 10
新生児の呼吸窮<促>迫 92
新生児吸引症候群 4
周産期に発生した間質性気腫及び関連病態 4
周産期に発生したその他の呼吸器病態 12
周産期に発生した心血管障害 5
その他の先天性感染症及び寄生虫症 1
周産期に特異的なその他の感染症 5
その他の新生児出血 2
その他及び詳細不明の原因による新生児黄疸 17
胎児及び新生児に特異的な一過性糖質代謝障害 25
その他の一過性新生児内分泌障害 2
新生児の哺乳上の問題 2
先天奇形、変形及び染色体異常 10
その他 3
合計 280

担当医表

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担当医表

スタッフ紹介

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