診療科・部門紹介 糖尿病内分泌内科
診療内容
内分泌疾患・糖尿病の診療をおこなっています。
「バセドウ病のアイソトープ治療」や「下垂体・副腎疾患の内分泌負荷試験」、「アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング」も積極的に実施しています。
詳細は、対象疾患をご覧ください。
当科では、医学教育にも力を入れています。
→ 当科での研修・就職にご興味のある医師の方はぜひこちらをご覧ください。
「バセドウ病のアイソトープ治療」や「下垂体・副腎疾患の内分泌負荷試験」、「アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング」も積極的に実施しています。
詳細は、対象疾患をご覧ください。
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(更新日:2022.10.6)
診療関連トピックス
対象疾患
糖尿病、バセドウ病、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能低下症、 高コルチゾール血症(クッシング)、褐色細胞腫、アルドステロン症、副腎不全、副腎偶発腫、先端巨大症、プロラクチン産生腫瘍、副甲状腺機能亢進症 など
主な病気には、
インスリンに関連した病気 : 糖尿病 など
甲状腺ホルモンに関連した病気 : バセドウ病、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能低下症 など
副腎ホルモンに関連した病気 : 高コルチゾール血症(クッシング)、褐色細胞腫、アルドステロン症、副腎不全、副腎偶発腫 など
下垂体ホルモンに関連した病気 : 先端巨大症、プロラクチン産生腫瘍 など
副甲状腺ホルモンに関連した病気 : 副甲状腺機能亢進症 など
があります。
ジッとしていても 「全力疾走しているような状態」 になります。
「全力疾走しているような状態」 では下記のような症状がみられます。
・ 脈が速くなり、心臓がドキドキする
・ 息切れがして、汗をかきやすくなる
・ 食べても食べても、体重が減る
・ 過敏になり、手や足がふるえる
・ 下痢気味になる
など
上記の症状があてはまるようであれば、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談して、Free T4(フリー・ティー・フォー)とTSH(ティー・エス・エイチ)という検査で甲状腺の働きを調べてもらいましょう。Free T4が高く、TSHが低い状態であれば、バセドウ病の可能性があります。かかりつけの先生と相談し、精密検査のため当院を含めた専門病院を受診しましょう。
バセドウ病の精密検査
甲状腺ホルモンが高くなっている 「原因」 を精密検査で調べることが大切です。
なぜなら、甲状腺のホルモンが高くなっている原因によって治療法がまったく異なるからです。
そのため、まず詳しく病状を聴取し、身体診察をおこなった上で必要な検査を選択します。
検査の内容は、血液検査・甲状腺超音波検査・甲状腺シンチグラフィーなどです。
特に甲状腺シンチグラフィーは、当院を含めた限られた医療機関でしか実施できない検査です。
甲状腺シンチグラフィーは、甲状腺ホルモンが高い原因を確認する最も大事な検査になります。
バセドウ病の治療法
バセドウ病の治療法は、大きく2つです。
薬物療法 : 薬で甲状腺のホルモンをおさえこむ方法
根治療法 : 手術またはアイソトープで甲状腺を小さくする方法
治療法に関しては、病状にもよりますので相談しながら決めていくことになります。
*少なくとも薬物治療を 「2年以上」 続けている方や将来的に 「妊娠を希望されている方」 は、薬物療法以外の治療法も検討されることをお勧めします。
アイソトープ治療とは?
甲状腺を小さくする治療法のひとつで、アイソトープという放射性物質を利用した治療法です。
“放射性物質” と聞くとなんとなく怖いイメージがあるかもしれませんが、実際には外来通院でアイソトープの小さなカプセルを一回飲むだけです。外から放射線を当てるわけではありません。
口から飲んだアイソトープは腸から吸収され甲状腺に集まり、甲状腺を小さくしてバセドウ病を良くしてくれます。髪が抜けたり、ガンや白血病になることはありません。また、生まれてくる赤ちゃんへの影響もありません。体への負担も少なく、肺や心臓の悪い方でも受けることができます。アメリカでは安全な治療法として、バセドウ病の大半の方がこの治療を受けています。
日本甲状腺学会のホームページに、アイソトープ治療についてわかりやすい説明があります。
http://www.japanthyroid.jp/public/img/basedou.pdf
また、下記のサイトにアイソトープ治療について詳しい解説があります。
http://harecoco.net
甲状腺に炎症が起こると、
・ 甲状腺の表面を指で押すと、のけぞるほどの強い痛みがでる
(甲状腺は首の前面の下方、真ん中寄りにあります)
・ 痛みの部位が右から左(または、左から右)に移動する
・ 熱が続く
などの体調変化がみられます。
ただし、通常の風邪でも似たような状態になることもあります。
上記の症状があてはまるようであれば、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談し、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因で、首の痛みや熱があれば、鎮痛剤やステロイド剤で治療を開始します。
ステロイドホルモンが体内で大量に作られると、
・ 丸顔になり、赤ら顔になる
・ ぶつけた覚えもないのに皮下出血の痕ができ、皮膚が弱くなる
・ 糖尿病がなかなかよくならない
・ 背骨の圧迫骨折
・ 食べていないのに、急に体重が増える
などがみられることがあります
ただし、他の病気でステロイド薬の治療を受けている場合にも同じ状態になります。
もし症状が当てはまるようであれば、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談し、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因で糖尿病などが起きていれば、ステロイドホルモンを大量に作っている部分を手術で取り除くことで改善する可能性があります。
成長ホルモンが体内で大量に作られると、
・ 手や足の皮が厚くなる、鼻やアゴが大きくなる
(ただし、この変化は数年単位でゆっくり起こるので、家族でも気付かないことが多いです)
・ 汗をかきやすい、頑固な頭痛
・ 手のしびれ (皮膚が厚くなり神経が圧迫され、手根管症候群が起こる)
・ いびきが大きい、睡眠中に息が止まる (気道が狭くなり睡眠時無呼吸症候群が起こる)
・ 糖尿病や高血圧になる
もし症状が当てはまるようであれば、IGF-1(アイ・ジー・エフ・ワン)(別名:ソマトメジンC)という成長ホルモンを調べる血液検査の実施を、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)に相談しましょう。IGF-1は年齢により正常値が異なります。数値が高ければ、精密検査のため当院を含めた専門病院を受診しましょう。
この病気が原因であれば、手術で成長ホルモンを大量に作っている部分を取り除くことで、糖尿病・高血圧、手根管症候群、睡眠時無呼吸症候群、体型の変化が改善する可能性があります。
この病気が治療できるかどうかで寿命が約10年変わると言われています。
プロラクチンが体内で大量に作られると、
・ 妊娠と関係なく乳汁分泌がある
・ 生理が止まる
・ 男性不妊の原因になる
などがみられます。
ただし、薬の副作用でプロラクチンが高くなることも多く、産婦人科的な問題のこともありますので、まずはかかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談した上で、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因であれば、薬物治療でプロラクチンの分泌をおさえることで、乳汁分泌や生理が改善する可能性があります。
たまたま実施した血液検査でカルシウムが高いことがわかり見つかることも多く、自覚症状はないことが多いです。尿管結石の原因になったり、骨粗鬆症や腎障害を起こすことがあります。
カルシウムが高くなる原因は、この病気以外にビタミンDなどの薬の影響で起こることも多いですので、まずはかかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談した上で、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因で尿管結石や骨粗鬆症などが起きている場合には、副甲状腺ホルモンを大量に作っている部分を手術で取り除くことで改善する可能性があります。
内分泌疾患とは?
内分泌疾患とは、体内で分泌されるホルモンに関連した病気のことです。主な病気には、
インスリンに関連した病気 : 糖尿病 など
甲状腺ホルモンに関連した病気 : バセドウ病、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能低下症 など
副腎ホルモンに関連した病気 : 高コルチゾール血症(クッシング)、褐色細胞腫、アルドステロン症、副腎不全、副腎偶発腫 など
下垂体ホルモンに関連した病気 : 先端巨大症、プロラクチン産生腫瘍 など
副甲状腺ホルモンに関連した病気 : 副甲状腺機能亢進症 など
があります。
バセドウ病は、どんな病気ですか?
バセドウ病は、首の前面にある甲状腺から甲状腺ホルモン(=代謝を活発にするホルモン)が大量に作られる病気です。ジッとしていても 「全力疾走しているような状態」 になります。
「全力疾走しているような状態」 では下記のような症状がみられます。
・ 脈が速くなり、心臓がドキドキする
・ 息切れがして、汗をかきやすくなる
・ 食べても食べても、体重が減る
・ 過敏になり、手や足がふるえる
・ 下痢気味になる
など
上記の症状があてはまるようであれば、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談して、Free T4(フリー・ティー・フォー)とTSH(ティー・エス・エイチ)という検査で甲状腺の働きを調べてもらいましょう。Free T4が高く、TSHが低い状態であれば、バセドウ病の可能性があります。かかりつけの先生と相談し、精密検査のため当院を含めた専門病院を受診しましょう。
バセドウ病の精密検査
甲状腺ホルモンが高くなっている 「原因」 を精密検査で調べることが大切です。
なぜなら、甲状腺のホルモンが高くなっている原因によって治療法がまったく異なるからです。
そのため、まず詳しく病状を聴取し、身体診察をおこなった上で必要な検査を選択します。
検査の内容は、血液検査・甲状腺超音波検査・甲状腺シンチグラフィーなどです。
特に甲状腺シンチグラフィーは、当院を含めた限られた医療機関でしか実施できない検査です。
甲状腺シンチグラフィーは、甲状腺ホルモンが高い原因を確認する最も大事な検査になります。
バセドウ病の治療法
バセドウ病の治療法は、大きく2つです。
薬物療法 : 薬で甲状腺のホルモンをおさえこむ方法
根治療法 : 手術またはアイソトープで甲状腺を小さくする方法
治療法に関しては、病状にもよりますので相談しながら決めていくことになります。
*少なくとも薬物治療を 「2年以上」 続けている方や将来的に 「妊娠を希望されている方」 は、薬物療法以外の治療法も検討されることをお勧めします。
アイソトープ治療とは?
甲状腺を小さくする治療法のひとつで、アイソトープという放射性物質を利用した治療法です。
“放射性物質” と聞くとなんとなく怖いイメージがあるかもしれませんが、実際には外来通院でアイソトープの小さなカプセルを一回飲むだけです。外から放射線を当てるわけではありません。
口から飲んだアイソトープは腸から吸収され甲状腺に集まり、甲状腺を小さくしてバセドウ病を良くしてくれます。髪が抜けたり、ガンや白血病になることはありません。また、生まれてくる赤ちゃんへの影響もありません。体への負担も少なく、肺や心臓の悪い方でも受けることができます。アメリカでは安全な治療法として、バセドウ病の大半の方がこの治療を受けています。
日本甲状腺学会のホームページに、アイソトープ治療についてわかりやすい説明があります。
http://www.japanthyroid.jp/public/img/basedou.pdf
また、下記のサイトにアイソトープ治療について詳しい解説があります。
http://harecoco.net
亜急性甲状腺炎は、どんな病気ですか?
甲状腺に炎症が起こることで、甲状腺(首の前面)が痛くなり、熱の出る病気です。甲状腺に炎症が起こると、
・ 甲状腺の表面を指で押すと、のけぞるほどの強い痛みがでる
(甲状腺は首の前面の下方、真ん中寄りにあります)
・ 痛みの部位が右から左(または、左から右)に移動する
・ 熱が続く
などの体調変化がみられます。
ただし、通常の風邪でも似たような状態になることもあります。
上記の症状があてはまるようであれば、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談し、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因で、首の痛みや熱があれば、鎮痛剤やステロイド剤で治療を開始します。
高コルチゾール血症(クッシング)は、どんな病気ですか?
コルチゾール(=ステロイドホルモン)が体内で大量に作られる病気です。ステロイドホルモンが体内で大量に作られると、
・ 丸顔になり、赤ら顔になる
・ ぶつけた覚えもないのに皮下出血の痕ができ、皮膚が弱くなる
・ 糖尿病がなかなかよくならない
・ 背骨の圧迫骨折
・ 食べていないのに、急に体重が増える
などがみられることがあります
ただし、他の病気でステロイド薬の治療を受けている場合にも同じ状態になります。
もし症状が当てはまるようであれば、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談し、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因で糖尿病などが起きていれば、ステロイドホルモンを大量に作っている部分を手術で取り除くことで改善する可能性があります。
先端巨大症は、どんな病気ですか?
成長ホルモン(=体の成長をうながすホルモン)が体内で大量に作られる病気です。成長ホルモンが体内で大量に作られると、
・ 手や足の皮が厚くなる、鼻やアゴが大きくなる
(ただし、この変化は数年単位でゆっくり起こるので、家族でも気付かないことが多いです)
・ 汗をかきやすい、頑固な頭痛
・ 手のしびれ (皮膚が厚くなり神経が圧迫され、手根管症候群が起こる)
・ いびきが大きい、睡眠中に息が止まる (気道が狭くなり睡眠時無呼吸症候群が起こる)
・ 糖尿病や高血圧になる
もし症状が当てはまるようであれば、IGF-1(アイ・ジー・エフ・ワン)(別名:ソマトメジンC)という成長ホルモンを調べる血液検査の実施を、かかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)に相談しましょう。IGF-1は年齢により正常値が異なります。数値が高ければ、精密検査のため当院を含めた専門病院を受診しましょう。
この病気が原因であれば、手術で成長ホルモンを大量に作っている部分を取り除くことで、糖尿病・高血圧、手根管症候群、睡眠時無呼吸症候群、体型の変化が改善する可能性があります。
この病気が治療できるかどうかで寿命が約10年変わると言われています。
プロラクチン産生腫瘍は、どんな病気ですか?
プロラクチン(乳汁分泌をうながすホルモン)が体内で大量に作られる病気です。プロラクチンが体内で大量に作られると、
・ 妊娠と関係なく乳汁分泌がある
・ 生理が止まる
・ 男性不妊の原因になる
などがみられます。
ただし、薬の副作用でプロラクチンが高くなることも多く、産婦人科的な問題のこともありますので、まずはかかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談した上で、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因であれば、薬物治療でプロラクチンの分泌をおさえることで、乳汁分泌や生理が改善する可能性があります。
副甲状腺機能亢進症は、どんな病気ですか?
副甲状腺ホルモン(=カルシウムを増加させるホルモン)が体内で大量に作られる病気です。たまたま実施した血液検査でカルシウムが高いことがわかり見つかることも多く、自覚症状はないことが多いです。尿管結石の原因になったり、骨粗鬆症や腎障害を起こすことがあります。
カルシウムが高くなる原因は、この病気以外にビタミンDなどの薬の影響で起こることも多いですので、まずはかかりつけの先生(あるいはお近くのクリニックの先生)と相談した上で、当院を含めた専門病院の受診を検討しましょう。
この病気が原因で尿管結石や骨粗鬆症などが起きている場合には、副甲状腺ホルモンを大量に作っている部分を手術で取り除くことで改善する可能性があります。
(更新日:2022.2.25)
診療実績
外来のべ患者数 32,976名
入院延べ患者数 634名
(2022年度実績)
また下記のような診療も行っている。
1)糖尿病支援外来
生活習慣病患者を対象とした看護師による外来であり、医師より依頼のあった症例につき 1枠30分の予約外来を行なっている。担当看護師は行動医学的手法を用いて患者さまのセルフケア行動に向けての支援を行なったり、療養に関する精神的なケアを行なっている。
2)糖尿病教室
外来患者を対象として隔月に1回「公開 糖尿病セミナー」を開催している。また入院患者にたいしては病棟でほぼ毎日医師や看護師、コメディカルによる講義、ビデオ学習などを行なっている。
入院延べ患者数 634名
(2022年度実績)
疾患別症例数
(2022年度実績)
入院患者数 | |
---|---|
インスリンに関連した病気 | 24 |
副腎ホルモンに関連した病気 | 16 |
下垂体ホルモンに関連した病気 | 3 |
新生物 | 3 |
その他 | 6 |
合計 | 52 |
外来患者のうちの大部分は糖尿病と高脂血症患者であり、内分泌疾患としては甲状腺疾患が多数を占めている。入院患者は糖尿病がもっとも多く、糖尿病教育、血糖コントロール、糖尿病合併症の評価と治療などを行っており、近隣の医療機関からの紹介患者も多い。
また下記のような診療も行っている。
1)糖尿病支援外来
生活習慣病患者を対象とした看護師による外来であり、医師より依頼のあった症例につき 1枠30分の予約外来を行なっている。担当看護師は行動医学的手法を用いて患者さまのセルフケア行動に向けての支援を行なったり、療養に関する精神的なケアを行なっている。
2)糖尿病教室
外来患者を対象として隔月に1回「公開 糖尿病セミナー」を開催している。また入院患者にたいしては病棟でほぼ毎日医師や看護師、コメディカルによる講義、ビデオ学習などを行なっている。
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