AMH(卵巣予備能検査:アンチミュラー管ホルモン)の解析結果(亀田 生殖医療事業管理部まとめ2021)
当院に受診された4,400名のデータの傾向をお示しします。
測定だけして不安になっていらっしゃる患者様が数多くいらっしゃいますので、少しでも測定が何を意味するかの理解の助けになれば幸いです。
AMHは、生殖年齢女性では前胞状卵胞、小胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌され原始卵胞から一次卵胞への卵胞発育を抑制していることがわかっています。検査としては卵巣内の卵子数を反映し、年齢と共に減少するため卵巣予備能を検査として頻用されています。月経周期によるばらつきが少ないのが特徴ですが、ピルの内服の継続によって、また、妊娠中・分娩直後は値が低くなることも報告されています。
AMHは卵子の「数」を評価するものですが、卵子の「質」を評価するものではありません。AMHが低値でも普通に自然妊娠することが知られています。妊娠率とは関係しないものの不妊治療の決定方針にはとても重要です。体外受精時の調節卵巣刺激での発育卵胞数や採卵数とは相関しますので刺激法の選択やOHSS予防に役立ちます。
年齢に問わず、ばらつきが大きく正規分布しないので基準値は設定されていますが正常・異常の定義があるわけではありません。
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文責:川井清考(院長)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。