国内で患者数が増加傾向にある慢性感染症である、非結核性抗酸菌症と気管支拡張症の専門外来を呼吸器内科に新設しました。専門医が少なく、長期に治療または経過観察が必要な疾患です。
担当:呼吸器内科 主任部長 中島 啓 医師
非結核性抗酸菌症とは
結核菌以外の抗酸菌が肺に感染して起こる病気です。非結核性抗酸菌は土や水などの環境中にいる菌で、結核菌とは異なり人から人には感染しません。
菌の種類は150種類以上ありますが、非結核性抗酸菌症の7~8割がマック(MAC:Mycobacterium-aviumcomplex)菌です。非結核性抗酸菌症は、中高年女性に多く、年々増加しています。
症状
多くは数年から10年以上かけてゆっくりと進行します。初期は症状がなく、検診の胸部エックス線検査などで発見されることもしばしばあります。進行すると、せき、たん、血たん、だるさ、発熱、寝汗、体重減少などが出ることもあります。
診断・治療
診断は、胸部エックス線検査、胸部CT検査で特徴的な影を見つけ、たんを調べ、培養で菌があれば診断になります。たんが出ない場合は気管支鏡検査(肺の内視鏡検査)を行います。通常はまず経過観察で様子をみることが多いですが、症状や肺の影が悪化してくる場合には 3種類の抗生剤による治療を行います。多くの場合、初期から適切な管理を行えば病状の改善や安定化を得ることができます。
気管支拡張症とは?
さまざまな原因で肺や気管支の炎症が持続し、気管支が拡張してしまう疾患です。長引く咳や痰、肺炎を繰り返しやすくなること、肺機能の低下などを認めます。非結核性抗酸菌症の後遺症として起こることもあります。
主な症状
咳、痰、息切れ、体重減少などを認めます。
また、肺炎を起こしやすくなります。
診断と治療
胸部レントゲンやCT、採血、痰の検査などで診断します。症状を抑える治療、肺炎を予防する薬物治療、ワクチン接種などを行います。
今後利用可能となる新規薬剤もあり、当院では治験も行っています。