人間ドックの方 大腸CT検査とは

内視鏡を挿入せずに内視鏡のような画像を構成できるため、「バーチャル大腸内視鏡検査」「大腸3D-CT」と呼ばれたり、英語では「CT colonography:CTコロノグラフィ検査」と呼ばれたりすることもあります。
新型のマルチスライスCTで大腸を撮影し、コンピューター処理によって大腸の三次元画像を作成して大腸の腫瘍性病変などを診断する方法です。大腸を膨らますための炭酸ガスをお尻から注入し、後は横になっているだけです。CT検査室にいる時間はおおよそ10-15分程度です(約10秒の本撮影を2回おこないます)。

内視鏡を挿入せずに大腸を診断する新しい大腸検査方法で、日本では検診法として実施している施設は限られています。 米国では、米国政府の外郭団体(American College of Radiology Imaging Network)が約600万ドル(おおよそ5億円)を投入し15施設での約2,500人を対象としたナショナルトライアル、およびウィスコンシン大学での約3,000人の臨床試験が行われました。これら大規模な臨床試験の結果が良好であったことを受けて、米国では、大腸CT検査が有効な大腸がん検診法としてガイドラインに掲載されています。
日本でも 多施設共同臨床試験 Japanese National CT Colonography Trial(JANCT)が約1,200人に対して実施され、良好な結果が示されました。
当院では、世界最新の撮影方法(炭酸ガス注入法、タギング法と呼ばれる低侵襲で精度の高い腸管洗浄方法、低線量撮影)および、精度検証済の世界標準読影法を用いた熟練した診断を行うことで、世界最高レベルの大腸CT検査をご提供いたします。

大腸CT検査の長所・短所

長所

  • 米国の大腸がん検診ガイドラインに有効な検査法として掲載されている検査方法で、精度の高さが実証されています。内視鏡では見落としがちな大腸のひだの裏などの病変の観察が優れています。当院の大腸CT検査は、常に世界レベルの方法を取り入れておこなっております。
  • 検査が短時間(約10-15分程度)で済みます。撮影自体は、約10-20秒程度です。
  • 鎮静剤(ねむり薬)が不要です。
  • 痛みなどの苦痛が少ないと言われています。内視鏡検査ではお尻から内視鏡を、バリウム注腸検査ではお尻からバリウムという造影剤を挿入する必要がありますが、大腸CT検査ではすぐに吸収されてしまう炭酸ガスを注入するだけです。
  • 大腸穿孔などの偶発症が極めて稀です。
  • 大腸内視鏡の挿入が困難な方でも検査が容易です(実物の内視鏡を入れません)。

短所

  • 高さの低い平らな病変や5ミリ以下のポリープをみつける能力は大腸内視鏡検査に比べて劣っています。また、肛門やバウヒン弁(大腸と小腸の境にある弁)にある病変への診断能は乏しいと考えられます。ただし、一般的に内視鏡治療が必要な6ミリ以上の隆起性病変の多くは診断可能です。
  • 細胞の検査(生検)や、ポリープ切除などの治療をすることはできません。
  • CT撮影に伴い最低限で安全な範囲の医療被ばくがあります。ただし、注腸X線検査に比べると少なく、大腸がんを見つけるメリットに比べると問題は少ないとされます。さらに、亀田総合病院では新しい撮影装置と撮影方法を用いて、人間ドック全ての大腸CT検査に対してX線被ばくの量を最大限少なくする工夫を取り入れた低線量撮影を実施しています。安全で質の高い大腸CTを安心してお受けください。
    しかしながら、妊娠の可能性がある方は検査を受けることができません。
  • ほかの大腸検査と同様に前処置(検査の前に腸の中をきれいにすること)がうまくできていない場合には、正確な検査が困難になります。

大腸CT検査の実際例

70歳 女性 無症状

大腸CT検査で指摘された部位に6mmの腺腫と呼ばれる腫瘍性ポリープがありました。 このポリープは、内視鏡的に切除されました。

59歳 男性 便潜血陽性

大腸CT検査のご案内 へ戻る
ページトップに戻る