後期流産・死産をくりかえし免疫療法が奏功した症例報告(当院症例)

妊娠22週死産・妊娠8週稽留流産の不育症女性において、免疫グロブリン療法・ヘパリン療法が奏功した症例報告がJCM(Journal of Clinical Medicine)に掲載されました。当症例は当院受診後、Th1/Th2比の不均衡あり、タクロリムス+低用量アスピリン内服による免疫・抗凝固療法を行いましたが、再度19週後期流産となりました。胎盤病理所見やuterine radial artery blood flowより血流障害が考えられ、他院セカンドオピニオン実施後、タクロリムス+低用量アスピリン内服に加え、免疫グロブリン静注と未分画ヘパリン投与を実施し生児獲得に至りました。

Junichiro Mitsui, et al.J. Clin. Med. 2023, 12(4), 1250; DOI:10.3390/jcm12041250
https://www.mdpi.com/2077-0383/12/4/1250

過剰にアドオン治療を加えていくことに対する懸念は日々の診療でも持ち続けておく必要がありますが、まだまだ不育症分野は解明されていないことが多く、症例ごとに様々な治療選択をセカンドオピニオンの提案を含めて検討していくことが必要かと考えています。

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文責:川井清考(院長)

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