亀田ファミリークリニック館山で実施された患者満足度調査の結果を森川敬太ら医師がまとめた研究論文が、国際学術誌 Journal of General and Family Medicine に掲載されました
研究目的・背景
患者満足度は医療の質を示す大切な指標です。これまで、医師による診療や説明が患者満足度に大きく影響することは多くの研究で示されてきましたが、看護師や受付などの非医師スタッフが果たす役割については十分に調べられていませんでした。本研究は、「看護師や受付スタッフの対応が、患者の満足度にどのように影響するか」を明らかにすることを目的としました。
調査方法・対象
・2019年～2022年まで年1回、当院を受診した外来患者にアンケート調査を実施
・総回答者数：1,415名
・年齢：0～19歳11.4％、20～69歳50.4％、70歳以上38.2％
・男性46.9％、女性50.2％
主な結果
・患者全体の約6割が「とても満足」と回答
・非医師スタッフでは「看護師の対応」や「受付スタッフの態度」、「待ち時間中のケア」が患者満足度に強く関係している
・特に「看護師の態度」に満足した患者は、全体満足度が約2倍高かった
・「受付スタッフの態度」、「待ち時間中のケア」も満足度を高める要因であった
・診察時間や医療へのアクセスも重要な関連要素だった
・性別や年齢では有意な差は認められなかった
結論・今後の展望
今回の調査から、プライマリケアの現場で医師以外のスタッフが患者満足度に与える影響は大きいことがわかりました。特に、看護師や受付スタッフの「親切な態度」「ていねいな対応」「待ち時間中の声かけやケア」など、直接患者さんと関わる姿勢が重要です。今後は、チーム医療による患者中心のケアがより一層求められ、スタッフ全員の質向上が医療サービス満足度の向上につながると考えられます
これは、日本のプライマリ・ケア教育診療所における大規模な調査として貴重な成果です。今後、今回の調査や研究結果を踏まえながら、より良い医療を皆様にお届けできるよう努力して参ります。
論文情報
タイトル：Non-Physician Contributors to Patient Satisfaction in a Japanese Primary Care: A Cross-Sectional Secondary Analysis of Patient Satisfaction Surveys.
著者：Morikawa, K., Ando, T., Tezen, S. and Okada, T.
掲載雑誌：Journal of General and Family Medicine
発行年月日：15 October 2025
DOI：https://doi.org/10.1002/jgf2.70073
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亀田ファミリークリニック館山
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