中村仁美さんがパーソナリティをつとめる、ABCラジオ「エレビット presents 大切なあなた～赤ちゃんや妊活について語ろう～」の専門家ロングインタビューで当院の非常勤としてもお世話になっている東京労災病院 産婦人科部長 太田邦明 先生、院長の川井清考、亀田総合病院附属 幕張クリニック 菅長麗依 先生、が10月23日（日）から4週にわたり出演しました。

 

太田先生は「ホモシステインの悪影響」というテーマです。
悪玉アミノ酸のホモシステインとそれを排除する葉酸との関係のこと、ホモシステインを蓄積しないための葉酸を含むマルチビタミン接種の有用性など、様々な論文のデータを交えてわかりやすくお話しされています。葉酸は、神経管欠損症の発症リスクを抑えれるだけでなく、体外受精の成績の向上、生まれてくる赤ちゃんのIQが高いというデータや、自閉症の発症リスクや産後うつの発症も抑えるという報告があることなど、目からうろこの情報もたくさんありました。
私たちのクリニックのプレコンセプション検診でもホモシステインの値は必須検査としています。サプリ大国のアメリカでは、妊娠がわかるとすぐ、葉酸、鉄、カルシウム、ビタミンB群、ビタミンDなど妊婦用の栄養サプリメント（Prenatal Vitamine）を産婦人科の先生が処方してくれたり、米、小麦粉、パスタ、シリアル、パンなどの穀類(主食)には葉酸が添加されたりして早くから社会全体で取り組んでいます。日本でも厚生労働省が葉酸摂取の推奨に力を入れていますが、葉酸を含むマルチビタミン摂取の重要性、改めてよくわかりました。

川井先生は不妊治療施設には何となく生きづらい方へ」「妊活を意識したプレコンセプションケアを考えてみませんか？」というテーマで2週に渡りインタビューを受けました。
不妊クリニックへの受診はハードルが高いと思っておられる方が多いと思いますが、今すぐ赤ちゃんが欲しい方も、すぐ欲しいわけではない方も、トラブルが起きてからではなく早い段階で、今何ができるかを専門家に診てもらうことで、将来の家族計画がたてやすくなることなどを話しています。
赤ちゃんを授かるためには男性も女性も健康である必要がありますが、これは急激にできることではないので、早い段階から取り組むことがとても大事だということに改めて気づかされます。

菅長先生は、「女性医師が伝えたいプレコンセプションケアの重要性というテーマでお話をされています」特に総合内科、家庭医の専門医として、妊娠を考えている方があらかじめワクチンを接種することで予防できる病気のことを詳しくお話しされています。
当院のHPでもわかりやすく解説してくださっていますのでこちらもぜひご覧ください。『赤ちゃんを守るワクチン』

3人の先生方、それぞれの視点からプレコンセプションケアの重要性をお話しされています。今の自分自身を大事にすることが、健康でいることが、次の世代、未来の子供たちに繋がることを考えて、ぜひ早い段階でプレコンセプションケアに取り組んでいきましょう。

文責：石川恵（事務長）

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。

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