子宮内膜症 EFIスコア

Endometriosis fertility index(EFI)評価はAdamson らが2010年に提唱した子宮内膜症合併不妊症に対して手術療法を行った患者に対する妊孕性評価方法です。
下図に示すように算出表に基づいて10点満点(既往歴スコア 5点+術中所見スコア 5 点)で計算します。
点数が高いほど妊娠予後がよいとされています。既往歴スコアは女性年齢、不妊期間、妊娠歴の3項目で構成されています。術中所見スコアはrASRM 分類のスコアリングと左右の卵巣・卵管・卵管采の機能をそれぞれ5段階で評価した点数を用いて計算します。
rASRM 分類での術後妊娠率はStage毎に相関がないことが先行研究で示されていますので、EFIスコアが用いられることが多くなってきています。
これらに、男性因子や卵巣予備能などの因子を追加で加味し不妊治療プランを立てることが最近のガイドラインでも推奨されてきています。

G David Adamson, et al. Fertil Steril. 2010 Oct;94(5):1609-15. doi: 10.1016/j.fertnstert.2009.09.035.

R-ASRM 分類(1996年に改訂)は世界的に最も用いられている子宮内膜症の新進行期分類です。深部子宮内膜症や痛みの評価がないことや、当進行期分類と不妊予後が関連しないことなどが指摘されてきてEFIが扱われるようになりました。

子宮内膜症の不妊治療の流れ(取扱い規約2021より)

文責:川井清考(院長)

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