現在、新型コロナウイルスの感染者数増加が第七波に入り、ワクチンの接種が政府より推奨されています。体外受精治療を控えられている方はワクチン接種が体外受精に悪影響を及ぼさないのか？気になるところだと思います。

コロナワクチン接種が体外受精の治療成績に及ぼす影響を調べた論文が2022年7月25日に発表されました。

結論から申し上げますと、コロナワクチン接種は体外受精の治療成績を下げません！したがって、体外受精治療を受ける方は治療前にワクチン接種を受けるべき！と結論付けられています。

参考にした論文はこちらです。
Inactivated COVID-19 vaccination does not affect in-vitro fertilization outcomes in women
Yixuan Wu, Mingzhu Cao, Yanshan Lin, Zijin Xu, Zhu Liang, Qing Huang, Sichen Li, Lei Li, Yaming Meng, Chunyan An, Haiying Liu, Jianqiao Liu
Human Reproduction, deac160, https://doi.org/10.1093/humrep/deac160

表　ワクチン接種の有無が妊娠成績に及ぼす影響

	接種グループ	未接種グループ	P
移植周期数	239	928
着床率	35.4% (121/342)	38.3% (509/1330)	0.325
化学的妊娠率	47.3% (113/239)	51.6% (479/928)	0.232
臨床妊娠率	44.4% (106/239)	47.4% (440/928)	0.398
化学的流産	6.2% (7/113)	9.6% (39/479)	0.487
流産率	15.0% (17/113)	12.1% (58/479)	0.399
子宮外妊娠率	2.7% (3/113)	2.5% (12/479)	1.000
継続中妊娠率	36.0% (86/239)	39.9% (370/928)	0.272

表を一部改変

文責：平岡謙一郎（培養室長）

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