体外受精における累積妊娠卒業率(亀田IVFクリニック幕張:-2021/12)

2021年12月までの体外受精治療(体外受精における累積妊娠卒業率)をご報告いたします。
2022年4月より不妊治療の保険適用が開始しました。従来までの助成金制度と大きく異なるのは移植胚ができなければ年齢による上限回数が減らないところです。
今までは採卵実施も1回とカウントされていたため、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクを冒してでも一度で複数の卵子をとる卵巣刺激を行われる流れがございました。保険適用では採卵回数はカウントされず移植回数のみカウント対象となるため、患者様はリスクをおかす必要がないと思います。当院ホームページの体外受精の成績別途まとめて収載いたしますので、そちらもご確認ください。

①胚移植回数別の累積妊娠卒業率
「体外受精の移植回数」で示した通り、挙児希望の強い意志がありながら医学的要因で結果が出なかった患者だけでなく、社会的要因や経済的要因で中断、時間的要因で未受診の患者も含まれますが、年齢区分別の体外受精累積妊娠卒業率を示します。
論文などでも下記のように表記されますが、実戦は治療を続けた人のみに現実の成績をしめしたグラフでドロップアウトした人は妊娠していないと定義したものです。点線はドロップアウトしたカップルを治療継続群と同じ割合だけ妊娠したと仮定した場合の期待的成績と表現します。年齢が高くても移植回数を重ねると妊娠卒業できる割合が増加することがわかります。

移植回数別の卒業率から計算した累積卒業推測値

②採卵回数別の累積妊娠卒業率
移植回数別の同様の方法で示しています。採卵を重ね良好胚を獲得することが大事であることがわかります。

採卵回数別の卒業率から計算した累積卒業推測値

文責:川井清考(院長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。

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