第20回千葉リプロダクション研究会 演題報告(1)

2019年9月28日(土)に行われた千葉リプロダクション研究会にて、「医師・培養士間連携のKey Performance Indicatorの検討」というタイトルで演題発表させていただきました。Key Performance Indicator(KPI)とは、「日々の生殖医療業務において、成績管理を行うための重要な評価項目」です。最も権威のあるヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)の評価委員が2017年に発表した国際基準とも言えるKPI設定の文献を引用致しました。この文献には、採卵率、受精率、胚発生率、着床率など自院の成績を自己評価するための基準値が述べられています。
当院でもこの基準と比較してKPI評価を行ってみました。
以下がここ最近2年間の毎月の成績評価です。

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Competency Levelという値がESHRE評価委員の設定した"通常達成していた基準値"で、Benchmark Levelという値が"野心的な目標値" のようなものです。
当院の胚盤胞達成率も、着床率もそのCompetency LevelとBenchmark Levelの間にほぼ収まっている感じです。ESHRE基準をほとんど満たしつつ、更に"野心的な目標値を目指す"というような成績になっており、ESHRE評価委員が設定した値は当院でも実用的な数値になっております。今後もこのように成績管理をしながら"野心的な目標値"を越えるよう改善して行き、患者の皆様にひとりでも多くのお子様が授かるよう当院も成長していきたいと思います。

文責:筋野(品質管理担当室長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。