人工授精へのステップアップ、妊娠率②(亀田IVFクリニック幕張 開設-2020年11月現在)
人工授精を卵巣刺激別に掘り下げていこうと思います。タイミング法の時と同様、人工授精でも卵巣刺激に用いる薬剤はクロミッド®とレトロゾールですので、自然周期とクロミッド周期、レトロゾール周期、その他で区分けしてみました。軽度男性因子がある患者さまは自然周期から、原因不明の不妊カップルにはクロミッド周期、レトロゾール周期での治療をお勧めしています。
円グラフを見ていただくと、人工授精で妊娠された方の45%が自然周期、39%クロミッド周期であることがわかります。
それぞれの卵巣刺激別の妊娠率で比較した場合を見てみると、自然周期は6.4%、クロミッド周期は8.2%、レトロゾール周期は9.1%となりました。双胎率は1.2%です。
人工授精での累積の妊娠卒業率は16.6%でした。タイミング・人工授精・体外受精と治療をしていくと年齢が高くてもタイミングで妊娠される方は妊娠されます。論文などを見ていると累積妊娠率を理想としては18-20%まで高められると思っていますので、現在、高める努力を行っているところです。
文責:川井(院長)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。