不妊治療患者のタイミング妊娠率について①(亀田IVFクリニック幕張 開設-2020年11月現在)
開院から2020年9月までに不妊治療で子供が欲しいと希望されて来院されたカップルのタイミング法での妊娠率です。
当院でタイミング法より治療開始した方を対象としています。
可能な限り、タイミングをとれなかった周期や未排卵や複数排卵でタイミングを許可できなかった周期を除いています。タイミングをとった後に来院されていらっしゃらない患者様は妊娠していないと定義いたしました。
タイミングで妊娠された患者様の女性平均年齢は33.0±4.5歳です。回数別の妊娠率、妊娠女性平均年齢をしめします。また、円グラフはタイミングで妊娠した患者様が何回目で妊娠しているのかを示したグラフになります。
人工授精・体外受精の管理は分母がわかりやすいのでいろいろなクリニックで成績を出していますが、タイミングの妊娠率は出しづらいのであまり出しているところがありません。皆さまの治療の参考になれば嬉しいです。
初回タイミング治療を開始した患者様を100とした場合、一定の割合でステップアップをなさっているか、当院での治療休診となっています。3回以上タイミングを続けられる方が50%弱、6回以降は20%弱となってきます。
これには理由があり、不妊クリニックでは、患者様が妊娠・分娩するために医療従事者として様々な理由や不妊原因から治療のステップアップを勧めます。
当院では、初診の段階で女性年齢38歳以上の患者様が28%、子供が欲しいと思い妊娠できずに一年以上経過した患者様が52%となっておりますので必要に応じてステップアップの治療方針をご提示しています。
また、来院後にステップアップを推奨する異常が見つかってくる患者様もいらっしゃいます。皆さまのイメージが湧きやすいところで申し上げると、卵管因子:子宮卵管造影の異常が約20%、男性側の精液所見異常、性交障害が約40%です。
この後、人工授精・体外受精の妊娠率も随時示して参ります。皆さまが行なっているタイミング治療を見直すきっかけや適切なステップアップを行うきっかけにしていただければ幸いです。
タイミング回数が多い回数で妊娠している方は、間に手術などの介入がはいった方がほとんどでした。1回結果がなければ1ヶ月ずつ年齢も重ねます。薬剤の変更も含めて、適切な時期でのステップアップが好ましいのかもしれませんね。
文責:川井(院長)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。