2020年度上期の振り返りと目標~ブログ200投稿目の節目に~

2019年の8月にこのブログを開始してから今回で200投稿目になります。ブログの節目でもあり、また2020年度も半分終了しましたので、新型コロナウィルスの流行が世の中にこんな影響を及ぼすとは考えもしていなかった2020年の念頭に掲げた3つの目標を振り返り、下期に向けての想いと目標をお伝えしたいと思います。

①待ち時間延長への対策

新型コロナウィルス感染に対する緊急事態宣言がでた4月、学会の発信の影響もあり、不妊治療が一時的に自粛傾向になりましたが、感染対策に留意しながら診療を続けた当院では、6月頃からはその前よりも多くの患者様に来ていただくようになり、特に土曜日に関しては待ち時間が更に延長している状況で、大変ご迷惑をおかけしております。
鉄蕉会全体として案内表示システムを2月に導入し、予定ではこれをアプリに反映して「待ち時間の目安の見える化」をする計画でしたが、当院の診療の流れとはマッチせず別の方法でお席を外していただいた方への呼び出しメールの送信を検討しています。また、来年以降にはなりますが、後会計システムの導入を計画しています。このシステムを導入できると、診察後に会計を待つ時間が削減されますので我々も大きな期待を寄せています。
もうしばらくお待ちください。

1月に実施した患者様満足度調査のレビューとして10/1より120名の患者様に項目を絞って改めて調査させていただきましたが(この結果の詳細は改めてご報告します)、『待ち時間の延長』については、多くの厳しいご意見をいただいております。貴重な時間を割いて来てくださっていますのでごもっとものお叱りです。真摯に受け止め、改善に努めて参ります。

②治療の見える化

品質管理室長の筋野徒志雄の管理の元、サブカルテより自動的に治療実績が可視化されるシステムを構築しリアルタイムの成績のモニタリングを行っており、培養部門は培養室長の平岡謙一郎、医師部門は院長の川井清考がそれぞれ責任者としてマネジメントしています。当院全体の成績はweb説明会時にも診察時にもお示ししていますが、体外受精は患者様個々の成績も視覚的に見やすくしてお話ししています。
データの開示はご主人から「わかりやすい」と感想をいただくことが多いのですが、これは患者様のためだけではなく、我々にとっても大変効果的であり、常に評価し検討できる体制により医療の質の担保ができ、これが高い成績に繋がっています。
『治療の見える化』についてはこの先も追求し、患者様にわかりやすく、納得できる医療を提供していきます。一人でも多くの患者さまが、一日でも早く赤ちゃんを抱けるよう、ご夫婦で一緒に治療に参加して頂き、医療機関側と共に治療に取り組んでいただければと思います。

③情報の発信

新型コロナウィルスの流行と共に、今まで院内で行っていた説明会は全てweb配信としましたが、web配信によって「院内で行うよりもご主人が参加しやすい」、「お二人目不妊の方は子供がいても聴けて良かった」、「自宅でリラックスして聴けて夫婦の会話も増えた」等、コロナの流行がなければ気付かなかった気付きをたくさん得られた取り組みでした。
世の中でも、テレワークやリモート会議、オンライン飲み会等、「withコロナ」、「ニューノーマル」と言われる新しい仕事やコミュニケーションの形が生まれた上半期でしたね。

また、このブログも「自粛期間中に患者様が不安になっていないだろうか」、「ご夫婦で一緒に考えていただく機会を増やすことになれば」、「生活習慣を見直すきっかけにしていただければ」と患者様をサポートする内容を多くし、また3日に一度程度の発信だったブログもほぼ毎日発信して参りました。
今後も『情報の発信』は、ホームページやブログ、説明会等、もっと皆様に届きやすいような情報となるよう、発信し続けていきたいと思います。

日本産科婦人科学会のデータブックより2018年体外受精によって誕生した児の数は5万6979人で過去最多を更新しました。この年の総出生数は91万8400人ですので、およそ、16人に1人が体外受精で生まれた計算になります。
そんな中、菅内閣が発足時に閣議決定した方針で不妊治療への保険適用を柱とした少子化対策、誰もが安心できる社会保障制度の構築に力を注ぐ考えが示されましたね。
みなさんもとても関心をもっていると思います。
これから議論を重ねどのような制度になっていくのかはまだわかりませんが、子どもが欲しくても、授かることができなかった夫婦に光があたり、救いの手が増えることは嬉しいことですし、注目していきたいところです。

最後になりますが、今年の7月に撮影したスタッフの写真をご紹介します。
全員がマスクを着けて集合写真を撮ることは、世の中を大きく動かした新型コロナウィルス感染の流行がなければなかったと思います。
開院時には30人もいなかったスタッフが、今は非常勤の先生やスタッフもあわせると総勢42名、まあまあの大所帯になりました。

亀田IVFクリニック幕張では「スタッフ自身やその家族が、このクリニックで治療したいと思えるような不妊治療」をモットーに、一人でも多くの健康な赤ちゃんを授かっていただき、夫婦へ、赤ちゃんへのリスクをできるだけゼロに近づけることを目標にスタッフ一丸となり取り組んでいます。
ご心配なことや疑問がありましたら、遠慮なくスタッフにお声掛けください。
どうぞ、よろしくお願い致します。

文責:石川(事務長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。

亀田IVFクリニック幕張