GnRHアゴニスト法低反応患者におけるrLHの役割 (Reprod Biol Endocrinol. 2019)

【はじめに】

適切な卵巣刺激反応は生殖補助医療(ART)の成功に不可欠です。若年齢、卵巣予備能が正常範囲以上でもゴナドトロピンへの反応が乏しい「低反応」の女性がいることが知られています。①FSHβ遺伝子のプロモーター領域、②FSHR(FSH受容体)の遺伝子多型、③LHβ鎖の遺伝子多型、④LHCGR(LH受容体)の遺伝子多型などで低反応になることがわかっていますが、実際遺伝子異常の調査をして治療開始するわけではありませんので、実際のゴナドトロピンの投与法で治療効率があがる方法を模索する必要があります。rFSH製剤を用いたGnRHアゴニスト法低反応患者におけるrLH補充の有効性を検討したメタアナリシスをご紹介いたします。

【ポイント】

rFSHへの低反応を示す女性に対するrLH補充は、臨床敵妊娠率、着床率、採卵数を改善する可能性があります。

【引用文献】

Alessandro Conforti, et al. Reprod Biol Endocrinol. 2019 Feb 6;17(1):18. doi: 10.1186/s12958-019-0460-4.

【論文内容】

GnRHアゴニスト法低反応患者におけるrLH補充の役割を検討することを目的としたシステマティックレビュー/メタアナリシスです。低反応者に対するFSH単独療法とLH補充療法を比較した前向き臨床試験を対象とし、Scopus、MEDLINEデータベースで言語や時期の制限なく検索を行いました。主要評価項目は臨床的妊娠率としました。
主な定義基準は通常卵巣予備能、LH/FSHをもっているのに反応不良な患者としました。前回の採卵時に適切な卵子数を得るために高用量のrFSH(>2500 IU)を必要とした症例、今回の刺激中に刺激7-8日目の時点で卵胞成長が停滞し、E2 < 180 pg/ml、6-10mmの卵胞は複数あるが、10mm以上の卵胞がない状態
卵巣刺激はGnRHアゴニスト法でrFSH 150-300単位/日、rLH補充群は開始時期刺激7-8日目から75-150 IUの範囲としました。

結果:
LH補充群で有意に高い臨床敵妊娠率(OR: 2.03、P=0.003)、着床率(OR: 2.62、P=0.004)、採卵数(平均差: 1.98個、P=0.03)が認められました。成熟卵子数や流産率については両群間で差は認められませんでした。

【私見】

今回のメタアナリシスでは、rFSHを用いたGnRHアゴニスト法低反応患者においてLH補充の有効性が示されました。General populationにはrFSHとrFSH+rLH併用療法には差が認められていません。刺激の最適化、個別化調節下卵巣刺激を日々意識する必要があると思っています。

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文責:川井清考(院長)

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