ヨーロッパ生殖医学会で演題採択(その②)
前回はヨーロッパ生殖医学会について、そして、この学会に採択された2演題のうち1演題の内容報告をさせて頂きました。今回は残りの1演題の内容を報告致します。
以前より、受精方法「媒精」と「顕微授精」の違いが臨床成績に及ぼす影響を調べた論文は何報か報告されていますが、これらの論文で検討されている顕微授精の方法は「従来法」のみであり、「媒精」と「ピエゾ法」を比較した報告はこれまでにありませんでした。そこで今回我々は「媒精」と「ピエゾ法」の臨床成績を比較しました。
・「媒精」と「顕微授精」の違い→https://www.youtube.com/watch?v=cRQQUbrd0fw
・「従来法」の詳細→https://medical.kameda.com/ivf/blog/post_51.html
・「ピエゾ法」の詳細→https://medical.kameda.com/ivf/blog/post_52.html
その結果、正常受精率、胚発育は「媒精」に比べて、「ピエゾ法」が有意に高い値を示しました。しかし出産児の先天異常率の比較において差は認められませんでした。これらの結果が示すところは、ピエゾ法による顕微授精は媒精に比べて、より多くの受精卵を得ることが出来るものの、先天異常の割合は増えないことから、ピエゾ法による顕微授精は決して危険な受精方法ではないということです。
文責:平岡(培養室長)
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。