月経中のLH基礎値測定の意義について(当院のデータをふまえて)

不妊症の一次検査の内分泌検査には血中LHが含まれています。血中LH基礎値は通常7mIU/ml未満であり、排卵するとき以外は通常FSHより低い値を示します。3mIU/ml未満だと視床下部・下垂体障害の排卵障害を疑います。また、生殖年齢女性の5-8%に発症し排卵障害の多くを占める多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は診断基準にLH高値が含まれています。
PCOSの日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会が2007年に示したガイドラインでは、⑴月経異常 ⑵多嚢胞性卵巣:月経中の少なくとも片方の卵巣で2~ 9mmの小卵胞が10個以上 ⑶血中男性ホルモン高値 または LH基礎値高値かつ FSH基礎値正常(LH≧ 7mIU/mlかつ LH≧ FSH、BMI≧ 25の女性ではLH≧ FSHのみでもよい)となっています。
当院に来院された39歳以下の挙児希望の患者様1481名を対象とすると月経異常があり多嚢胞性卵巣をしめすBMI<25 LH≧ 7mIU/mlかつ LH≧ FSHの患者が188名、BMI≧ 25 LH≧ FSHのみの患者が38名であり全体の15.3%にあたりPCOSで不妊クリニックに来院される患者様が多いことがわかります。PCOSは比較的、治療法がしっかり示されているので、改めてまとめて皆さんにご案内したいと思います。
そのほか早発卵巣機能不全で排卵が乱れている女性はLHが高く早く排卵するシグナルがでてしまうこともあるので十分注意して観察していきます。

文責:川井(院長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。