2020年2月の活動報告

テレビも新聞もwebニュースも新型コロナウィルス関連のこと一色だった2月のように思います。広がり続ける世界的な流行と様々な規制が出てくる中、患者さまも不安な気持ちで過ごされていると思いますが、引き続き我々ができる限りの感染予防対策を実施して外来は通常通り行って参ります。
さて、先にブログでご報告した平岡培養室長のラジオ出演、川井院長が翻訳を手掛けた絵本「とつきとおか 赤ちゃんが産まれるまで」の重版が決定の他、2月も様々なことに取り組みましたので、ご報告できていなかったことを振り返り活動報告をまとめました。

平岡培養室長より

醍醐渡辺クリニック様に見学に伺いました(2月上旬)

京都にある醍醐渡辺クリニック様は、1971年(昭和46年)開院当初から産科と並行して不妊治療を始められ、1986年(昭和61年)には日本でも早期に体外受精を導入、その後顕微授精、胚凍結保存を取り入れ、1994年(平成6年)に京滋地区で初めて顕微授精による出生に成功した歴史と実績があるクリニックです。当時、培養室長の木下さんが日本臨床エンブリオロジスト学会の第17回大会長をされた際、学会運営のお手伝いをさせて頂いたことがきっかけで今回の御縁に恵まれました。30年以上の御経験に基づいた培養室内の技術・理論は素晴らしく、培養士の方達全員の技術力・知識が高いと率直に感じました。木下さんより直ぐにでも実践出来る工夫点を教えて頂き、大変参考になりました。貴重な機会を与えて頂いた院長 渡辺浩彦先生、 副院長 石川弘伸先生、木下勝治さん、スタッフの皆様方に厚く御礼を申し上げます。

エジプト生殖医学会にて講演致しました(2月下旬)

2月下旬にエジプト・カイロで開催された エジプト生殖医学会にて顕微授精の話を中心とした講演をさせて頂きました。カイロへは成田→ドバイ(飛行時間12時間)、ドバイ→カイロ(飛行時間4時間)、待ち時間等を含めると移動に丸一日掛かる上、時差が7時間あったので老いの身に堪えました。カイロへの入国はビザが必要ですが、空港で米25$を払えば簡単に取得でき、1月に訪問したロシアのビザ取得に比べると本当に楽でした。都合がつかず、ピラミッドを見ることは出来ませんでしたが、シタデル(カイロ城塞)へ行き、そこから見えるカイロ市内を満喫しました。

学会では世界中の著名な方達が多く呼ばれていたので、最新の知見を得ることが出来ました。これからの培養業務に大いに活かしたいと思います。

川井院長より

2020年2月15日(土)・16日(日)第10回 日本がん・生殖医療学会 学術集会に参加いたしました。

本年度は当院からは2月15日シンポジウム「 小児・AYA世代がん患者のサバイバーシップ向上を志向した妊孕性温存に関する心理支援体制の均てん化に向けた臨床研究」というセッションで臨床心理士の奈良和子が「 がん・生殖医療カウンセリングにおける見守りチェックリストを用いた心理社会的アセスメントと意思決定支援」をお話する機会をいただきました。当院では開院当初より、がん・生殖医療には関わり続けており、がん治療前に保存しておいた受精卵・卵子・精子を用いて、がん治療が終わった後に複数例出産に至っております。今後とも千葉県での、がん・生殖医療に関わり続けていきたいと思います。

その他のご報告

news every.の『トク4』で培養室長の平岡が特集されました

2月20日、日本テレビに当院の培養室長平岡を半年以上密着取材していただいた内容がnews every.の『トク4』で放映されました。胚培養士は普段はあまり表に出ることがない存在ですが生殖補助医療を支える、なくてはならない存在です。
日々のプレッシャーと絶対妊娠させたい!という使命感、とてつもなく大きな責任感を抱えて奮闘する姿はテレビを通して視てくださったみなさんにも届いたようで、
「信念をもって取り組む姿に感動した」「こんな仕事があるって知れてよかった」等など、本当に多くのありがたい感想をいただきました。取材に応じてくださった患者さま、長い期間、根気よく密着し知られざる世界をわかりやすく伝えてくださった日本テレビの関係者の方々、本当にありがとうございました。

ロシア鉄道病院の医師が見学にいらっしゃいました。

亀田メディカルセンターも協力し、ロシア・ハバロフスクで健康診断・予防医療サービスを提供する「予防医療診断センター」の設立準備をすすめるために、亀田京橋クリニック、亀田幕張クリニックの健診事業の研修・見学に来ていたロシア鉄道病院の医師たちが、当院にも見学にいらっしゃいました。生殖医療センターにもとても興味を持たれており、特に培養室は熱心に見学されました。
海外からの見学対応は通常、培養室長の平岡が行うことが多いのですが、ちょうどエジプト生殖医学会の最中だったため、久我培養士が対応してくれました。

文責:川井(院長)、平岡(培養室長)、石川(事務長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。