亀田IVFクリニックの男性不妊症のホームページについて
2年ぶりになってしまいましたが、男性不妊の情報を更新しました。
男性不妊の情報ページでは、男性不妊症について、
・主な原因
・検査や診断の方法
・治療について
・当クリニックの取り組みやデータ
などをご紹介しています。ぜひご一読ください。
不妊専門クリニックや泌尿器科を受診するのは気が進まないという男性は少なくないと思います。しかしながら、子供はカップルで作るものです。お二人で一緒に受診して、お互いの状態を理解して、男女同時並行で取り組むことがとても重要です。
不妊治療では女性側の治療である体外受精や顕微授精といった高度な生殖補助医療がとても効果的です。そのために、男性側の診療が重要視されにくい面があります。精液を提出するだけで十分な場合も多いかもしれません。一方で、産婦人科的治療だけでは限界があることも確かです。
我々が重要と考えていることの中に、男性パートナーご自身の健康を見直していただいて、生活習慣を修正してもらうことがあります。
男性不妊外来を受診してもらうことによって、以下のようなことがわかります。
- 子作りには不利になると思われる生活習慣の例
喫煙
陰嚢の熱ストレス(長風呂、サウナ、ボクサーパンツのような密着した下着)
過度のアルコール摂取
悪影響を与える薬剤
長い禁欲期間
など - 併存疾患の例
高血圧
脂質異常症
肥満
メタボリック症候群
高尿酸血症
など
男性パートナーの受診時の平均年齢が36歳となっているためか、健康的でない状態を指摘される場合もかなり多くなっています。泌尿器科学的な原因に対する治療と並行して、これらへの対応も行っていただくことになります。
我慢することも多くストレスになるかもしれませんが、男性側の取り組みの結果として質の良い精子をより多く得ることにつながり(図1)、人工授精や体外受精・顕微授精の治療成績の改善、最終的には赤ちゃんを授かる確率(生児獲得率)もあがっていきます(図2)。さらに、最近では前述のような病気を父親がもっていると、妊娠時期から出産時の問題につながったり(周産期合併症の増加)、生まれてくる赤ちゃんの健康によくない影響を及ぼすこともわかってきています。
元気な赤ちゃんをさずかって、幸せなご家庭をつくるには、まずご自身の生活習慣を改善し、健康管理をすることがとても重要なのです。
男性不妊の情報ページが、皆様のご理解、治療への取り組みの一助になれば幸いです。
<男性不妊症の情報ページからデータの紹介>
図1
図2
文責:泌尿器科部長(男性不妊担当) 小宮顕
お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。
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