生殖医療ガイドライン原案と方針が公開されました

少子高齢化が急速に進行し生殖補助医療の必要性も益々高まる中、2020年9月16日に菅内閣の基本方針としても不妊治療への保険適用を実現することが打ち出され、2022年4月に向け、本格的に保険適用が検討されています。
日本生殖医学会は6月23日に、不妊治療(特に生殖補助医療)の標準的な治療法を記した初めてとなるガイドラインの原案をつくり発表しました。
生殖補助医療は十分な医学的エビデンスが構築される前に新たな技術や薬が診療に導入され発展してきたこともあり治療が標準化されていないことも多く、保険適応を実現化するために、有効性や安全性が認められ、標準的な治療かどうかの範囲を明確化するためにも医学的エビデンスと国内の実態を基にした国内の診療・治療ガイドラインの作成が求められた、という背景もあります。
本ガイドラインは、国内外で公表されている文献やガイドラインをもとに、生殖医療施設に求められる要件、生殖医療の適応・胚培養・卵巣刺激、合併症、胚操作、男性不妊に対する検査と治療、add-ons 医療、心理的サポート・カウンセリングなど、40項目のクリニカルクエスション(CQ)に対しAnswerがあり、Answerは「医学研究や診療実態をもとに強く勧められる(A)」、「勧められる(B)」、「考慮される(C)」の3段階で評価されています。
ガイドライン案は、日本生殖医学会ホームページで会員向けに項目を記載したPDFも公表しており確認ができます(http://www.jsrm.or.jp/announce/227.pdf)。
23日の会見では、日本生殖医学会の大須賀理事長は、「(C)とされたり、本ガイドラインでとりあげられなかったりした治療も、個々の患者で有効な可能性もある」と強調しました。
ガイドライン巻頭にも「患者さん背景を把握し、患者さんと情報を共有することにより、患者さんに応じた適切な医療を提供していただくため」のガイドラインである旨が記されています。
今後の当院の治療との関連性も意識しながら、当院においても患者さまに応じた適切な医療を提供して参りたいと思います。

文責:石川恵(事務長)

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