一卵性双胎は女性年齢に関係する?(論文紹介)

一卵性双胎は胚分裂の正確な発生原因は十分に証明されていませんが、ARTにより増加し、その原因の候補には不妊原因、卵巣刺激、受精方法、胚培養環境、胚盤胞移植、胚の形態など様々な因子が関係しているとされています。女性年齢はどのように関係しているのでしょうか。関連した論文をご紹介させていただきます。この論文は、「一卵性双胎は新鮮胚移植・凍結融解胚移植どっちが多い?」と同じ母集団で行われた報告です。通常は論文として切り分けて投稿しないことが多いのですが、テーマが面白かったので二つにわけて投稿されて受理されているのかと思います。最近の中国の飛躍は生殖医療分野でも目覚ましい発展をとげています。

Xitong Liu ら.J Assist Reprod Genet. 2020. DOI: 10.1007/s10815-020-01988-z. 

≪論文紹介≫

単一胚移植を受けた女性における一卵性双胎率に母体年齢が影響しているかどうかを明らかにすることを目的にしています。
2014年から2018年の間の一箇所の体外受精センター(中国)で行われた単一胚移植後の臨床妊娠(n = 8459:新鮮胚移植 3876周期と凍結融解胚移植 4583周期)を対象に、一卵性双胎の発生率を後方視的に分析しました。
結果:
8459症例の妊娠のうち、8236症例が単胎妊娠で、223症例が一卵性双胎でした。
早産率、流産率、帝王切開率は一卵性双胎群で高くなりました。出生時体重と出産までの在胎週数は、一卵性双胎の方が小さく、短い傾向にありました。母体年齢と一卵性双胎の間には非線形な関係であり、36歳以上の患者では、母体年齢と一卵性双胎の間に負の関係が観察されました。

≪私見≫

一卵性双胎は胚分裂に正確な発生原因は十分に証明されていませんが、胚培養の延長、母体年齢、不妊の原因と受精方法、卵巣刺激、胚の形態変化など、複数の要因が原因となっている可能性が示唆されています。
この論文を含めると、現在のところ、母体年齢に関しては若年の方が一卵性双胎のリスクがあがるという理解でいいのでしょうか。というのも、高齢母体年齢が一卵性双胎のリスクをあげるという報告が一報ありますが、同グループは4年後に若年母体年齢が一卵性双胎の因子という論文が出し直しているためです。
※若年母体年齢が一卵性双胎率の増加をするという論文
Kawachiya Sら.Fertil Steril. 2011
Knopman JMら. Fertil Steril. 2014
Franasiak JMら. Fertil Steril. 2015

参考程度に当院で分娩まで追跡できている患者に限り調べてみると一卵性双胎の発生率は1.3%(6名)いて、母体年齢は平均33.8歳でした。

文責:川井(院長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。

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