雑誌「産婦人科の実際」に論文が掲載されました

金原出版より発刊されている月間雑誌「産婦人科の実際」8月号に当クリニックの論文が掲載されました。論文の題名は「Piezo-ICSIにおいて卵細胞質内へ注入する精子の向きがICSI成績、第二極体放出時間、前核消失時間、第一卵割時間、胚発育および妊娠へ及ぼす影響」。

体外受精において卵子の中に1個の精子を入れる顕微授精についての論文です。精子はオタマジャクシのように楕円形の頭と細長い尻尾があって、顕微授精において卵子の中に精子を入れる時は一般的に精子の頭の方から入れます。この論文では逆に精子の尻尾から卵子の中に入れたら受精率はどうなるのか?受精卵の成長、妊娠成績はどうなるのか?ということを調べたものです。結果は精子の尻尾から入れることで、頭から入れた場合に比べて受精率は高くなったものの、受精卵の発育・妊娠成績は変わらず、顕微授精の受精率を高めるためには精子の尻尾から入れることが有効かも知れないと結論付けています。引き続き、先代の医師・研究者・培養士達が築き上げてくれた技術を吟味、次世代に伝承していきたいと思います。

https://www.kanehara-shuppan.co.jp/magazines/detail.html?kubun=04025&code=040252019080&hakkou_nengetsu=201908

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お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。