媒精

今回は体外受精で使われる2つの受精方法「媒精」と「顕微授精」のうち「媒精」について説明します。
基本的に精子の調整後に多くの精子が集まれば「媒精」をお勧めします。

卵子と精子を一緒にして、精子が自ら卵子の中に入る方法になります。

媒精は一般的に自然に近い受精方法と言われています。
卵子はお腹の中から外に取り出された直後は粒々の細胞(卵丘細胞)に覆われています。卵子と一緒になった精子は、この卵丘細胞に向かって泳いでいきます。精子の頭には酵素が入っており、先ず、酵素により卵丘細胞を溶かして卵子に向かいます。次いで、卵子の周りを取り囲んでいる透明帯まで到達すると、同様に、頭から出た酵素を使って透明帯を溶かしながら卵子に向かってゆき、最終的に精子頭部が卵子の表面に触れて融合して中に取り込まれることで、精子は自ら卵子の中に入ります。卵子は精子の侵入を察知すると、透明帯を固める指令を出し、2個目以降の精子が卵子の中に入って来られないようにして、異常受精を防ぎます。

次回は「顕微授精」について説明します。

文責:平岡(培養室長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。