hCGトリガーした際の卵胞サイズ別の排卵率(Fertil Steril. 1991)
排卵周期凍結融解胚移植が主流となってくると、発育卵胞サイズが何ミリでトリガーをかけるかによって、排卵日・胚移植日が異なってきます。
排卵周期凍結融解胚移植の至適トリガー卵胞サイズは?(Reproductive BioMedicine Online, 2023)では卵胞サイズが13mm以上でトリガーをかけて2日後より黄体補充して移植すれば臨床成績には差がないとされていますが、一部の症例では排卵しない症例があるはずです。
hCGトリガーした際の卵胞サイズ別の排卵率を遡って調べてみました。
≪ポイント≫
hCGトリガー時に発育卵胞サイズが14mm以下、15~16mm、17~18mm、19~20mm、20mm以上の場合の排卵率はそれぞれ0.5%、37.4%、72.5%、81.2%、95.5%でした。
≪論文紹介≫
K M Silverberg, et al. Fertil Steril. 1991 Aug;56(2):296-300. doi: 10.1016/s0015-0282(16)54488-4.
49名122周期のhCG10000単位でトリガーし、42時間後に超音波で排卵を確立した割合を調査したレトロスペクティブコホート研究です。
卵胞サイズ | 卵胞数 | 排卵率 |
---|---|---|
14mm以下 | 952 | 0.5% |
15-16mm | 163 | 37.4% |
17-18mm | 138 | 72.5% |
19-20mm | 69 | 81.2% |
>20mm | 22 | 95.5% |
≪私見≫
治療をしていると知りたいことを検索して30年前の論文にたどりつくことが時々あります。医療に関わっていて30年後の後輩に影響を与える仕事を一つでも残せたら幸せだろうなと思います。
文責:川井清考(院長)
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