反復早産予防に17OHPは効果なし
反復早産予防に17OHPは効果がなくFDA承認が取り消された詳細な経緯を記載したeditorialが報告されました。
David B Nelson., et al. Am J Obstet Gynecol. 2024 Jan;230(1):1-9. doi: 10.1016/j.ajog.2023.08.031.
このような報告は、とてもクリアな議論であり、EBMに基づく医療を推進させていくと思います。
SMFMもACOGも共に早産予防に対して17OHPの使用を推奨しないという声明をだしました。ただし、予防的経膣プロゲステロンの使用方法はSMFMとACOGが異なっていて、SMFMは症状なくても反復早産予防に対して使用を考慮、ACOGは頚管短縮を伴って初めて使用を考慮となっています。
こちらに関しても、どこかで決着するのかもしれませんね。
・SMFMの声明
https://www.smfm.org/publications/467-smfm-special-statement-response-to-the-food-and-drug-administrations-withdrawal-of-17-alpha-hydroxyprogesterone-caproate
・ACOGの声明
https://www.acog.org/en/clinical/clinical-guidance/practice-advisory/articles/2023/04/updated-guidance-use-of-progesterone-supplementation-for-prevention-of-recurrent-preterm-birth
流産予防に関する経膣プロゲステロンの使用法は、性器出血などの有症状時にかぎるのが一般的です。国内では海外で推奨されている16週までの使用は保険適用外での対応となります。
流産歴がある妊娠初期の性器出血には黄体ホルモン腟剤
妊娠初期に出血した女性の流産予防(流産:Lancet総説2021を中心に)
文責:川井清考(院長)
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