ご来院の方へ 受精
女性の卵子と男性の精子が結びつくこと。まだ妊娠ではありません!
受精とは卵子の中に精子が入り受精卵をつくることです。受精卵ができるまでの過程は、精子と卵子が組み合わさって、他の精子が入ってこれないように防止し、前核の形成・融合、減数分裂など様々な変化が起こっています。これには卵子と精子だけの力ではなく、卵子のまわりの細胞(卵丘細胞)や卵管の手伝いが必要となってきます。
*前核:受精卵の中には、父親の遺伝情報を持った精子由来の前核1つと、母親の遺伝情報を持った卵子由来の前核1つの合計2つの前核が見えます。これら2つの前核は、精子が卵子の中に侵入して(受精して)、やがて、1つに融合して(父親と母親の遺伝情報が交じり合って赤ちゃんの遺伝情報が形成され)消えます。そのため、体外受精で、ちゃんと受精したかどうかを見分けるためには、受精卵の中に前核が2つ見えることがとても大切です。受精卵の中に前核が1つも見えない場合(受精していない)、前核が1つしか見えない場合(父親か母親どちらかの遺伝情報が足りない)、前核が3つ見える場合はちゃんと受精していない(父親か母親どちらかの遺伝情報が余分にある)、あるいは、異常受精(≒染色体異常)として判定されます。
*減数分裂:父親の遺伝情報をもつ染色体と、母親の遺伝情報をもつ染色体を正常な数にするように分裂する、有性生殖特有の分裂のこと。
受精の仕組み
STEP1:精子が卵管膨大部へ移動
射精された精子は、卵管を通り受精を目指す。
STEP2:卵子の排卵
卵子が卵巣から卵管膨大部へ排卵される。
STEP3:精子が卵子へ侵入
精子が卵子に侵入すると受精膜ができ、他の精子は侵入ができなくなる。
STEP4:受精卵の形成
遺伝情報を持った卵子の核と精子の核が合体して1 つの核になり、約7~10 時間後、受精卵となる。
用語説明
卵管膨大部 :卵管が子宮から卵巣に向かってちょうど湾曲しているあたりのこと。卵管の中でも内径が広くなっている。