卵巣刺激における有効胚獲得(亀田IVFクリニック幕張:-2021/12)

2021年12月までの体外受精治療(卵巣刺激における有効胚獲得)をご報告いたします。2022年4月より不妊治療の保険適用が実施されます。当院では以前よりヨーロッパ生殖医学会の推奨に準じて治療を行ってまいりましたので、保険適用で認可された卵巣刺激法が中心となっています。では、今回の保険適用となった女性年齢も意識したグラフでご報告いたします。当院ホームページ(成績欄)に別途まとめて収載いたしますので、そちらもご確認ください。

①排卵誘発法
当院では、卵巣予備能、患者年齢、精液所見などを指標に排卵誘発法を決定します。卵巣予備能から、患者層は卵巣刺激への低反応患者(Poor Responder)、標準反応患者(Normal Responder)、高反応患者(High Responder)の3群に分けられます。本年度からPPOSが増えてきています。
Poor Responder : AMH < 1.2 ng/mL または AFC < 5個
Normal Responder : AMH = 1.2~4.3 ng/mL または AFC = 5~20個
High Responder : AMH > 4.3 ng/mL または AFC > 20個

亀田IVFクリニック幕張の排卵誘発法実施数(2021年1月~12月)

②平均採卵数~平均有効胚数

当院の個別化調節卵巣刺激法により、女性患者年齢別に1回の採卵で得られる平均回収卵子数、成熟卵子数、正常受精数、有効胚数を示します。当院は90%
以上、胚盤胞培養を推奨していますので、有効胚=移植可能な胚盤胞とご考えください。
胚移植可能な胚に成長する受精卵は34歳以下で5.3個、35~39歳で3.1個、40~42歳で1.7個、43~45歳で1.1個です。女性年齢があがると卵巣予備能が低下し平均回収卵数~平均有効胚数の数は減少します。しかし各年齢による卵巣予備能のバラツキも大きく成績を左右します。
凍結できた胚盤胞にもグレードに一定のバラつきがあります。どこまで凍結をして移植を行うかが、移植回数で保険診療回数を制限された場合は費用対効果に影響を与えます。

亀田IVFクリニック幕張の平均回収卵子数~平均有効胚数(2021年1月~12月)

文責:川井清考(院長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。

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